研究課題/領域番号 |
63850021
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
稲垣 訓宏 静岡大学, 工学部, 教授 (30022015)
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研究分担者 |
田坂 茂 静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
荒川 公平 日機装, 研究員
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キーワード | プラズマ処理 / グラファイトウィスカー / 表面改質 / 複合材料 / 親水性 / フィラー / 流動性 / 表面分析 |
研究概要 |
低温プラズマ中の活性種の高い化学反応性を利用して、グラファイトウィスカー表面改質法の研究を昭和63年4月より開始した。初年度は表面処理法の開発に主眼が置かれ、(1)高い化学反応性を有するプラズマガスの探索、(2)表面処理に効果的なプラズマ処理条件の決定。さらに、(3)表面処理されたグラファイトウィスカーを複合化し、この機械的性能の検討から複合材のフィラーとしての可能性を検討する計画をたてた。まず、(1)のテーマについて、ポリエチレン、ポリエステルなどグラファイトより容易に表面改質が行える基質を対象として有効なプラズマガスのスクリーニングを行なった。実験結果より、NO_2、NOプラズマが従来にない高い表面改質能力を有することを発見した。この成果は昨年8月京都で開催されたIUPAC,Macromolecule Symposiumで発表し、詳しい結果をSen-i Gakkaishi(44巻、393頁)に論文として発表した。つづいて、NO_2プラズマをグラファイトウィスカーの表面処理に適用し、(2)のテーマの検討に移った。数分間のプラズマ処理でグラファイトウィスカーの表面が疎水性から親水性に改質されることを確め、プラズマ処理条件を決めた。このプラズマ処理の効果はグラファイト表面のXPS分析から定量的な検討をした。分析結果は従来の硝酸などの酸化処理に比ベ、プラズマ処理は約5倍の表面処理効果があることが明らかとなった。さらに、NO_22プラズマ処理したグラファイトウィスカーは流動性も向上することを認めた。最後に、(3)のテーマである本研究で開発したプラズマ処理法で表面改質したグラファイトウィスカーが複合材のフィラーとして適用可能であるか否かはデーターが十分でなく、現段階では結論するまでにはいたっておらない。 NO_2プラズマ処理の外に、プラズマグラフト法による表面改質法についても検討をはじめている。
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