研究課題/領域番号 |
63850021
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
稲垣 訓宏 静岡大学, 工学部, 教授 (30022015)
|
研究分担者 |
原田 稔 日機装株式会社, 研究員
田坂 茂 静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
|
キーワード | グラファイトウイスカ- / プラズマ処理 / 複合材料 / 親水性 / 表面エネルギ- / ニトロ化合物 / XPS / 流動化 |
研究概要 |
昨年の研究成果より、グラファイトウイスカ-を酸化窒素プラズマ処理によってその表面が親水化されることが確かめられた。本年度はグラファイトウイスカ-を効率よく、かつ均質に表面を親水化するために、流動層を用いたプラズマ処理装置を開発することを目的とした。 具体的にはまずグラファイトウイスカ-を流動化するためのガス流量、流動層の断面積、流動層の圧力など流動化に必要な操作因子を検討することにした。つづいて、流動化したグラファイトウイスカ-をプラズマ処理するためのプラズマ条件を確立することとした。研究成果は次の通りである。 1.グラファイトウイスカ-の流動化にはガス流量60cm^3/min以上を必要とする。このガス流量は理論量に比べ大きく、グラファイトウイスカ-間に部分的細い溝ができ、この溝を通ってガスが吹き抜けてしまうチャンネリング現象が起こっている。 2.NO、O_2、およびN_2ープラズマで処理したグラファイトウイスカ-の親水性を水の浸透量から評価した。流動層を利用したプラズマ処理によってグラファイトウイスカ-の親水性は約30倍に改質される。その親水性は用いるプラズマガスの種類に大いに依存する。O_2プラズマが一番効果的であり、NOプラズマがそれにつづく。N_2プラズマは前2つのプラズマに比べ親水性改質の能力は劣る。 以上の結果を総合すると次のことが結論される。流動層を利用することによって粉体のまま直接グラファイトウイスカ-をプラズマ処理することが可能であることが判明した。この改質を高率よく行うにはグラファイトウイスカ-の流動化が問題の鍵を握っている。ガス流による流動化に加え、振動を組み合わせた方法がよいであろう。プラズマガスとしては酸素あるいは一酸化窒素が適している。
|