研究課題/領域番号 |
63850022
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡村 弘之 東京大学, 工学部, 教授 (00010679)
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研究分担者 |
高野 太刀雄 東京大学, 工学部, 助手 (10010852)
酒井 信介 東京大学, 工学部, 助教授 (80134469)
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キーワード | 超音波減衰 / 超音波試験 / 非破壊検査 / 疲労 / 自動測定システム / クリ-プ / 余寿命評価 / スペクトル解析 |
研究概要 |
・開発システムの性能検定;前年度開発したシステムの性能検定を行った。スペクトラム特性、超音波速度、超音波減衰定数について測定精度を調べた。スペクトル解析を用いた超音波減衰定数の算出において、超音波原波形の包絡線形状から減衰定数を評価する方法と、第一エコ-と第二エコ-から被検査材料のシステム関数を計算しそれを用いて減衰定数を評価する方法の2つを提案し、従来法と提案法に対してモンテカルロシミュレ-ションを行ったところ、提案法による超音波減衰数の測定精度のほうが従来法よりもバラツキが小さいという結果が得られた。 ・超音波減衰測定の実施;開発したシステムを用いて前年度収集したクリ-プ損傷及びクリ-プ疲労損傷試験片の超音波測定を実施したところ、減衰定数は寿命消費率につれて増加する傾向があることが確認され、減衰定数がクリ-プ損傷及びクリ-プ疲労損傷の非破壊評価パラメ-タとして有効であることが示された。 ・今後の展望;今までは底面での反射波の減衰を評価してきたが、今度は超音波が供試材中で散乱し戻ってくる信号、すなわち後方散乱ノイズ(第一反射波以前の波形)を周波数領域で評価してみる。ノイズ成分は超音波が結晶粒界で散乱されて生じるノイズのほかに、もし、劣化損傷によるボイド、キャビティあるいは微小き裂が発生している場合には、そこから後方散乱ノイズが計測されるため、ノイズ成分の増加が起こると思われる。第一反射波以前の波形は表面波の余韻にノイズ成分が重畳されたものであるが、この部分では損傷の大きいものほど高周波よりの成分が検出できるのではないかと予想される。この開発したシステムによりノイズ分析を行うことを試みる。
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