研究課題/領域番号 |
63850024
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大路 清嗣 大阪大学, 工学部, 教授 (20028939)
|
研究分担者 |
久保 司郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (20107139)
遠藤 忠良 三菱重工業株式会社, 高砂研究所, 主査
|
キーワード | 非破壊検査 / 電気ポテンシャル法 / 表面き裂 / CT法 / 逆問題 / 破壊力学 / 境界要素法 / 配管 |
研究概要 |
研究代表者らは、3次元き裂の位置・形状を電気ポテンシャル分布から求める手法として、電気ポテンシャルCT法を開発し、その有効性を実証してきた。本研究では、配管内面に発生したき裂あるいは欠陥を、管の外表面で観測された電気ポテンシャル分布から同定する手法の提案を行った。平成元年度には、解析と実験の両面を通じて電気ポテンシャルCT法の適用性に関する検討を行った。主な研究成果は次の通りである。 1.ワ-クステ-ション上で、裏面き裂を同定する逆問題解析スキ-ムを提案した。まず、2次元き裂に対するJohnsonの解析解を用いて、裏面にあるき裂の位置と形状をワ-クステ-ション上で推定する、2次元走査近似解析を行う。3次元表面き裂の形状パラメ-タの代表的な組合せに対して、電気ポテンシャル分布の解析を行い、その結果をデ-タベ-ス化しておく。このデ-タベ-スを参照して、3次元解析を新たに行うことなく、ワ-クステ-ション上でき裂形状の詳細推定を行う。2.電気ポテンシャルCT法に最適化手法を組み入れたス-パ-コンピュ-タ上の3次元電気ポテンシャル解析に基づき、き裂の位置・形状を自動的に同定する方法を提案した。3.数値シミュレ-ションにより、これらの逆問題解析スキ-ムの有効性を確認した。4.スリット状表面き裂を有する板試験片および配管について電気ポテンシャル分布を測定し、その結果を用いて、提案したスキ-ムによりき裂の位置・形状を同定した。多少の誤差はあるが裏面き裂の同定が可能であることがわかった。5.スリット状き裂を有する配管に対する検討より、き裂の面積に着目すれば、板試験片に対するデ-タベ-スより配管に対する電気ポテンシャル分布が近似的に求められることが判明した。6.以上の結果より、提案した逆問題解析スキ-ムにより配管内面あるいは板裏面の表面き裂が同定できることがわかった。
|