研究課題/領域番号 |
63850025
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大南 正瑛 立命館大学, 理工学部, 教授 (60066587)
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研究分担者 |
藤井 勉 (株)東京衡機製造所, 技術部, 課長
坂根 政男 立命館大学, 理工学部, 助手 (20111130)
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キーワード | 交流 / 電気ポテンシャル法 / き裂計測 / 表皮効果 / 表面き裂 / 周波数分析 / 内部き裂 |
研究概要 |
前年度試作した交流電位差システムを用いて、人工き裂材のき裂深さ計測試験を実施した。得られた主要な結論は以下のようである。 1.50Hz〜10KHzの正弦波交流を用いて10mm×10mmのSS41角柱試験片に人工き裂を順次進展させた場合の各周波数毎の電圧上昇を調べた。き裂が浅い場合には交流電流の表皮効果によって高周波数帯の電圧上昇が低周波数帯と比べて著しかった。さらに、さらに、き裂を進展させてゆくと、今度は逆に低周波数帯の電圧上昇の方が大きくなった。 2.計測時間の短縮を計るため、50Hz〜5KHzの周波数帯域のスペクトラムから構成させる矩形波を用いて上記試験と同様の試験を実施した。き裂材から検出される矩形波をFFTアナライザ-を用いて、各周波数毎の電圧上昇を求めた。1で得られた結果と同様に、き裂が浅い場合には交流電流の表皮効果によって高周波帯域が、き裂が深い場合には低周数帯域の電圧上昇が顕著になることが判明した。さらに、これらの結果の再現性も良いことがわかった。 3.内部き裂材を模擬した横穴試験片(10mm×10mm角柱試験片に直径1.6mmの横穴の位置のみを変化させたもの)を用いて横穴の位置検出試験を矩形波の交流電流を用いて実施した。横穴の位置が表面に近い程、矩形波中に含まれる高周波成分の電圧上昇が大きく、表面から遠ざかるにしたがって低周波成分の電圧上昇が顕著になることが判明した。 4.以上のことから、交流電流の表皮効果を利用した表面き裂検出は、検出感度や欠陥位置の検出に有効であることが判明し、今回開発したシステムの有用性が明らかとなった。
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