寸法、微細形状を総合的に評価する三次元形状計測におけるダイナミックレンジの拡大化を目指した本研究は、研究計画に沿って本年度において次のような成果が得られた。 (1)ワイドレンジ計測システムとして、軸対称部品の評価、及び面状の評価を行うことを目的として、そのシステムの開発を行った。前者においては、半径30mmの軸対称部品に対して、0.1μmの分解能で自動測定できるシステム、後者に関しては100mm×100mmの平面を0.01μmの分解能で測定できるシステムを開発し、その整備を行って、精度検証を行った。 (2)軸対称形状計測システムでは、転り軸受の軌道面のようなト-ラス面についても精度よく形状が把握でき、従来総合的な形状評価が不可能であった領域を可能とすることができた。 (3)軸対称部品形状計測システムでは、偏心軸のような大偏心を有する重要部品に対して、セッティングを変えることなしに、偏心量、円筒形状の両者の精度を把握する自動計測システムを開発した。 (4)面状形状評価システムでは、PZTの採用を試み、高速、高レンジ化の装置試作も行い、ダイナミックレンジ10^6に挑戦できる見込みを得た。 以上のように、当初の研究計画通りに遂行しているが、システムのダイナミックレスポンス、及びデ-タ処理における桁落ちの処理に対する工夫など、本年度研究の完成度を高める作業を進めている。
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