研究課題/領域番号 |
63850036
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
稲崎 一郎 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (30051650)
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研究分担者 |
清水 哲 牧野フライス精機(株), 代表取締役
青山 藤詞郎 青山義塾大学, 理工学部, 助教授 (70129302)
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キーワード | 工作機械 / 主軸 / 転がり軸受 / 高速主軸 / 予荷重 / オイルエア潤滑 |
研究概要 |
加工能率の向上を図るために、工作機械用主軸の高速化が進められている。その際に問題となるのは、主軸軸受に対する適切な潤滑と予圧の設定である。本研究では、転り軸受を使用した工作機械主軸受の高速化を高い信頼性をもって達成する目的で、昭和63年度より継続して軸受の予圧を調整可能な主軸システムの開発を進めてきた。その結果、平成元年度において次のような成果が得られた。 (1)全システムの動作試験:電歪素子を用いた予荷重調整機構ならびに電歪素子ノズルを利用したオイルエア潤滑システムを試作した高速主軸に組み込み、全システムの動作試験を行った。その結果、主軸回転速度の上昇に応じて予荷重を調整しその上昇を抑制することにより、高速回転時の軸受温度上昇が抑制され安定した回転が確保されることが明らかとなった。 (2)油圧アクチュエ-タを用いた予荷重調整主軸の試作:電歪素子はコストが高いことから、より低コストな油圧アクチュエ-タを組み込んだ予荷重調整主軸を試作し、その動作性能を測定した。その結果、電歪素子を用いた場合のほうが主軸系の静剛性は高くなるが、高速回転時の温度上昇に対する抑制効果は、定圧予荷重方式である油圧式のほうが大きいことがわかった。 (3)切削試験の実施:試作した高速主軸を立型フライス盤に組み込み切削試験を実施した。その結果、予荷重を調整することにより主軸の動特性が変化し、予荷重を高く設定することにより切削時のびびり振動の発生が抑制されることが明らかとなった。
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