研究課題/領域番号 |
63850041
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
里深 信行 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30027891)
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研究分担者 |
西田 秀利 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (40164561)
森西 晃嗣 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20174443)
徳永 宏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10027906)
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キーワード | 並列型コンピュ-タ / ベクトル型コンピュ-タ / 有理ルンゲ・クッタ法 / 群陽的差分法 / 領域分割法 |
研究概要 |
本年度は昭和63年度に引き続き、(1)並列型コンピュ-タに適した数値計算スキ-ムの開発、(2)乱流モデルの改良、(3)複雑な幾何学形状の物体まわりの計算格子網の数値的形成法の確立、(4)ナビェ・スト-クスコ-ドの作成およびベクトル型、並列型コンピュ-タに対する評価の4項目についての研究を実施した。並列型コンピュ-タとしてはハ-ドディスクを本年度の研究費で増設したTITAN(2CPU)および既設の超立方体結合方式のFPS T-20(16CPU),NCUBE4(4CPU)を用いて行った。計算スキ-ムは代表者の提案した、空間微分項の離散化に中心差分、時間微分項の積分に有理ルンゲ・クッタ法を用いる線の方法、および、複数の格子点から成る群に対して非対称な陰的差分近似を適用して得られる連立方程式の係数行列を解析的に反転して、各格子点における陽的差分表示を得る群陽的差分法を各々領域分割法と組み合わせる2つの方法を検討し、並列型コンピュ-タに適用し、その効率を評価した結果、両方法共4CPUで加速比が約3.51倍とデ-タ通信にかかる損失を除けばほぼ理論値に近い効率が得られた。また、本方法をベクトル型コンピュ-タに適用した結果、非常に高い加速比が得られ、本法法のベクトル型コンピュ-タに対する適合性の高さを実証した。さらに、線の方法と領域分割法とを組み合わせた方法を円柱まわりの流れ場に適用した結果、16CPUにおいてもほぼ理論値に近い加速比を得ることができた。しかし、各プロセッサが受け持つ計算量が少ないと、デ-タ通信にかかる損失が無視できなくなるために、加速比が低下することが明らかになった。これらの研究により、線の方法と領域分割法とを組み合わせた方法は、並列型コンピュ-タにおける大規模数値打計算に非常に有効であることが結論された。
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