研究課題/領域番号 |
63850044
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
黒崎 晏夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016442)
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研究分担者 |
山田 純 東京工業大学, 工学部, 助手 (40210455)
佐藤 勲 東京工業大学, 工学部, 助手 (10170721)
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キーワード | 冷熱 / 潜熱利用 / カプセル / 気体搬送 / 過冷却解除 |
研究概要 |
冷凍・空調用の冷熱はチラ-で冷却された冷媒を直接移動して輸送することが一般的であるが、大規模な建築物などでは輸送に要するポンプ動力の大きさが問題となっている。この点を改善するために本研究ではカプセル内に封じ込めた冷媒の潜熱を利用して輸送冷媒量を減らし、さらにそれを気体搬送して輸送ポンプ動力を減少させる新しい冷熱輸送システムを提案した。本年度は昨年度に引き続き、カプセル内の潜熱蓄熱媒体に蓄えた冷熱を気体搬送する冷熱輸送システムの詳細と実現可能性を検討した。主な結果の概略は以下の通りである。 1.冷熱輸送性能に対するカプセルの大きさ、形状の影響の検討:カプセル径を輸送管径に近づけると、冷熱を垂直搬送する場合の気体駆動動力が減少する傾向がみられた。これはカプセルの移動に関与しない気体の割合が減少するためである。また水平搬送では、カプセル形状が球形である場合の方が管路内を転動しやすいため、俵型のものよりも圧力損失が小さくなる。 2.カプセル内の潜熱蓄熱媒体の過冷却解除法の検討:潜熱蓄熱材を小さなカプセルに封じ込めると過冷却現象が顕著となることが知られている。これを低減するために流動層形式の冷却器を提案したが、そのとき潜熱蓄熱材の過冷却の解除に必要な変動加速度の大きさを求めるために、カプセルに加わる加速度と過冷却解除との関係を調べた。その結果、過冷却解除を助けるためには、カプセル内の液面が共振する周波数の比較的大きな加速度が必要であることがわかった。このことから、流動層型式の冷却器を利用して過冷却解除を促進するには、流動化流体に気体を用い、カプセルの流動を活発にする必要があると言える。 2年間の検討結果から本冷熱輸送システムは大規模な冷凍・空調に有効であることが示された。
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