研究課題
フロッピーディスクやハードディスクの磁気記録情報機器は、パーソナルコンピュータやワードプロセッサーに組み込まれ、それらが更に自動車や列車等の走行体に積載されて使用されることがある。そのため、フロピードライブ装置には、空冷ファンや走行体からの振動を受け、記録、再生の信頼性が阻害されることになる。そこで本研究では、回転磁気ディスク・ヘッド連成系の振動現象を解明すると共に、振動が発生しにくいヘッド支持機構を開発し、耐振ヘッドの設計基準を作ることを目的とし、本年度は以下の事柄を明らかにした。回転磁気ディスク・ヘッド連成系をばね・質量系でモデル化し、ディスクカバー中で上下を空気膜で支持されたディスクをばね床で全面支持されたディスクにモデル化し、理論解析した。その結果、磁気ディスク・ヘッド連成系の危険回転数を最大とする。即ち振動が発生しにくい最適なヘッドの質量、ヘッドのばね定数、ディスクカバーの等価弾性係数、ディスクの曲げこわさ、質量、内外半径、厚さが存在することを明らかにした。鉛直方向やピッチング加振を受けるフロッピーディスク・ヘッド系の振動と安定性を解析し、外力に対する応答性を明らかにすると共に、単純支持点周りのモーメントのバランス効果を利用した比較的高い剛性を有するヘッドケースを用いる方法の耐振性が最高になる条件を明らかにした。フロッピーディスクの変動に追従してヘッドが変形するように圧電素子をアクチュエータとして用いて能動制御する方法を究明して、その有効性を明らかにした。
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