研究課題/領域番号 |
63850051
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大塚 二郎 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (30016787)
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研究分担者 |
深田 茂生 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (70156743)
高橋 道郎 日立製作所, 主任技師
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キーワード | 摩擦駆動 / 精密位置決め / ダイレクトドライブモータ / レーザ測長 / トラクション |
研究概要 |
研究代表者らが以前に製作した摩擦駆動による精密位置決め装置は次のような欠点を持っていた。アクチュエータとしてのDCサーボモータと遊星ローラ減速機(減速比1/10)を用いたが、減速機に出力軸で約10秒のバックラッシがあり、これをスライダでの変位に換算すると0.7μmとなり、サブミクロンオーダの精密位置決めが無理となる。そこで、次のような装置を新に製作した。(1)アクチュエータとして、DCサーボモータと減速機という組合せを廃して、ダイレクトドライブモータを用いる。(2)スライダの変位測定に分解能1.6μm(=λ/4、λ=レーザ波長)のレーザ測長機を用いる。(3)スライダの一端に作業台としてのテーブル(全ストローク100mm)を設置する。以上の装置による実験の結果次のようなことが分った。(1)モータはテーブルに8.7kgに負荷をつけた状態で40HZまで、22.5kgの負荷をつけて30HZまで追従する。(2)摩擦車(ピニオンローラ)とスライダの間に働く駆動力(トラクション)を測定したところ、ピニオンローラ周速Vr、スライダ速度Vsとして、すべり率入(=(Vr-Vs)/Vr)と駆動力Tとの間の特性がある関数で表わされる。(3)以上の結果に基づいて、次のような台形波速度制御を行った。(i)ピニオンローラとスライダ間のすべりがない場合、(ii)両者の間にすべりを起させる場合、(iii)負荷や予圧が変化しても最高加速最高減速をインプロセスで設定できる場合。その結果テーブルストローク24mmをいづれの場合も400〜500msでテーブルの位置を目標値の±1μmに入れることができた。テーブルが急加速急減速するため、定盤系からの振動が位置決め精度を低下させているので、来年度は振動を小さくする工夫をして高精度化に努める。
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