研究課題/領域番号 |
63850053
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 博之 東京大学生産技術研究所, 第3部, 助教授 (90134642)
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研究分担者 |
佐藤 一雄 日立製作所, 中央研究所・開発部, 主任研究員
生駒 俊明 東京大学, 生産技術研究所・第3部, 教授 (80013118)
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キーワード | 走査トンネル顕微鏡 / 静電アクチュエータ / トンネル電流 / シリコンマイクロマシーニング / サーボシステム |
研究概要 |
本研究では、シリコン基板上に超小型の運動機構と距離センサーを、集積回路製造プロセスで一度に形成し、nmオーダの距離センサーを集積化した超小型運動デバイスを実現することを目的としている。本年度は3ケ年の研究の初年度として次のような研究を行った。 (1)Z方向アクチュエータ Z方向(試料と垂直方向)に探針を駆動するアクチュエータの構造は、図1(左下)に示すようにシリコン薄膜を、それと平行な電極で吸引し、膜面と垂直に変形させるものである。まず変形量と印加電圧・薄膜の大きさや厚み等との関係を理論的に解析した。次に、実際のアクチュエータをシリコンのプロセスで製作し、静的な変形特性や変位センサのフィードバックを含む動的な変形特性を測定した。この結果1ms以内に100nm程度までの制御が、容易に行えることが明らかとなった。 (2)XY方向アクチュエータ XY方向のリニアなアクチュエータとしては、例えば図2に示すような構造が考えられる。これは、シリコンの可動部を細い梁で支えた構造になっており、可動部表面の凸凹を利用して、上下の駆動電極で動かすものである。これと同様の構造についての理論的解析は発表されているので、まず試作を試みた。10μmの厚みで高さ220μm、長さ8mmという高アスペクト比の梁を作る必要があり、プロセスを改良しつつ試作を進めている。
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