研究課題/領域番号 |
63850055
|
研究種目 |
試験研究
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀井 憲爾 名古屋大学, 工学部, 教授 (70023223)
|
研究分担者 |
饗庭 貢 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50104766)
角 紳一 中部大学, 工学部, 講師 (00102773)
池田 義一 中部大学, 工学部, 教授 (60065266)
中村 光一 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10024283)
鬼頭 幸生 名古屋大学, 工学部, 教授 (00023044)
|
キーワード | ロケット誘雷 / 雷放電 / 送電線 / 電力施設 / 雷害防止技術 / 雷界計 / 雷雲内の状況 / 避雷器 / 架空地線 / 雷放電路の再現 / 音響法 |
研究概要 |
本研究の目的は、ロケット誘雷実験の技術を駆使して、雷放電を誘発させ、実規模の試験用送電線へ誘雷させて、このとき電力施設が受ける被害の状況を再現することにより、雷害防止技術を研究することである。更に今年度からは、ロケットに雷界計、電流計などの小形観察装置を搭載して、これを誘雷放電と同時に打上げることにより、雷雲内の状況及び空間における放電状況を直接観測することを目的とした。 実験は、10月より石川県鶴来町の奥獅子吼山頂(標高約1000m)にロケット発射台及び観測装置と観測制御ベース施設の設営準備に入り、11月から12月にかけて誘雷実験を実施した。その結果、計10回の誘雷放電に成功し、その中の4回は試験用送電線への電撃に成功した。その中には、送電線に酸化亜鉛形避雷器を取り付けた状態での雷撃に対する効果を実証することにも成功した。また、地上に置いた避雷器への電撃試験にも2回成功し、その損傷効果を実証することができた。同時に行った架空地線への雷撃試験では、電流による電線熔断の原因究明のデータを得た。一方、ロケット搭載電界計による高度160mまでの空間電荷の観察にも成功し、来年度以降の雷雲内観測に明るい見通しを得た。雷放電路の観測は、濃い雷雲内に入った状態のため、写真撮影は困難であったが、音響法により送電線への雷撃路を再現し、電撃点を確認することに成功した。また、山頂が雷雲に包まれた中で、空中ギャップ及びがいしの火花放電電圧の変化に関する実験を行い、わずかにその影響があることが認められた。 以上のように今年度は、3年計画の初年度としていくつかの新しい試みに成功したので、これをベースに更に来年度以降に、初期の目的の実験を同所において推進する予定である。
|