研究課題/領域番号 |
63850058
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大見 忠弘 東北大学, 工学部, 教授 (20016463)
|
研究分担者 |
森田 瑞穂 東北大学, 工学部, 助手 (50157905)
柴田 直 東北大学, 工学部, 助教授 (00187402)
|
キーワード | スパッタリング / 低温エピタキシャル成長 / 低エネルギイオン照射 / エピタキシャルシリコン / Cu配線 / Al配線 / 静電チャック |
研究概要 |
プロセス雰囲気の完全クリ-ン化が低温高性能プロセス実現の最重要事項であることから、ステンレスチャンバの内表面に酸化不動能化処理を施し脱ガスを極小化した。さらに新規開発のタ-ボ分子ポンプを接続し、30時間のベ-キングで到達真空度〜10^<-11>Torrを達成した。また静電チャックによるタ-ゲット保持技術も完成させ、タ-ゲットのロ-ドロック交換方式も実現するなど、超クリ-ンな低運動エネルギイオン照射プロセス成膜装置も完成させた。一方成膜プロセスの実験でも、数々の新しい成果を挙げることができた。本プロセスにおける二種類のエネルギ、即ち基板加熱による熱エネルギとイオン照射によるエネルギの関連について実験的に明らかにし、両者が可換であることを見出した。つまりプロセス低温化により不足する熱エネルギをイオン照射エネルギの増加で捕えることを示した。個々のイオンの運動エネルギを最適値の25eVに保ったまま、イオン照射量を増加させることにより、250℃という超低温でのエピタキシャルシリコン成長に成功した。また、Cu薄膜形成では、イオン照射の効果により熱的に非平衡な(111)配向膜をSiO_2上に形成し、これを2〜300℃の熱アニ-ルにより、安定な(100)配向膜に変化させるプロセスを開発。この相変化に際し、巨大なグレインが成長する現象を発見し、この性質を利用することにより、SiO_2上にほぼ単結晶に近いCu配線形成に成功した。Al配線についても、N^+シリコンとのコンタクト抵抗、ショットキ特性、ヒロック抑制、高アスペクト比のコンタクト穴埋め等、すべてについて従来技術をはるかに凌賀する結果を得た。また二周波励起プラズマの特性を実験的に解析し、プラズマポテンシャルを部分的に負の値とすることにより、チャンバ材料スパッタリングによる汚染を完全に排除できるプロセスの見通しも得ることができた。
|