| 研究課題/領域番号 |
63850073
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| 研究機関 | 東北大学 |
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研究代表者 |
中村 僖良 東北大学, 工学部, 教授 (00005365)
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| 研究分担者 |
高橋 貞行 日本電気(株), 材料開発試作センター, 主管研究員
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| キーワード | アクチュエ-タ / 圧電 / ニオブ酸リチウム / 分極反転 / ポジショナ- / STM / 屈曲振動子 / 強誘電体 |
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| 研究概要 |
現在実用されている圧電セラミックアクチュエ-タは、特性に本質的にヒステリシスやクリ-プがあり、超精密変位制御が要求される応用には適さない。本研究の目的は、LiNbO_3圧電結晶が非常に高いキュリ-点を持つことに着目して、ヒステリシスやクリ-プ現象がなく、直線性に優れ、広い温度範囲で使える超精密圧電アクチュエ-タを開発することにある。
本年度は、新たに積重構造縦変位型LiNbO_3アクチュエ-タの研究を開始するなど、計画にしたがって研究を行い、以下のような大きな成果を得た。1.薄い結晶板を積層するための方法として、エポキシ系接着剤で接着する方法や、端部にAu-Crを蒸着した後半田で接合する方法などを検討し、最適な積層法を確立した。また試作した素子の評価を行い、接着剤による接合でもヒステリシスやクリ-プがなく直線性に優れたアクチュエ-タが得られることを明らかにした。2.分極反転層を利用したねじり型アクチュエ-タの提案と試作を行い、ヒステリシスがないことを確認するとともに、150Vで0.2℃の回転変位が得られることを示した。3.LiNbO_3アクチュエ-タの定数の精密測定を行った。また温度特性を調べるため、-90〜90℃の範囲で140°回転Y板の圧電定数の温度特性を調べ、従来のセラミックアクチュエ-タに比べて温度による変化が少なくかつ広い温度範囲で使用可能なことを実証した。4.屈曲型および積層構造縦変位型アクチュエ-タについて、自己発熱により温度上昇が小さいことを示した。また、3次元微動機構についても検討を行った。
以上の結果から、本研究で提案・開発されたLiNbO_3アクチュエ-タは、超精密アクチュエ-タとして優れており、走査型トンネル顕微鏡などへの応用が期待される。
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