昭和63年度は、ピエゾ型圧力センサの開発を通して、センサの実装技術について研究を進めた。また、ピエゾ型に比べドリフトが少なく、体内埋込みに適している容量型圧力センサの基礎的研究を行なった。今年度は、これらをもとに、さらに高性能のセンサを実現するため、センサと容量検出ICを同一シリコン基板に一体化した集積化容量型圧力センサを開発した。 1.まず、3.3×3.7×0.5mmのセンサを試作した。この試作を通して集積化容量型圧力センサの制作方法を確立した。容量検出回路としては、容量変化を周波数の変化に変換するCMOSC-Fコンバ-タICを用いたが、回路構成の違う2種類の回路をのせ、特性が比較できるようにした。また、回路に流れる電流をにより、発振周波数を知る2線式検出が可能であるなどの特徴がある。電極の取り出し部分は、前年度、ピエゾ型圧力センサで確立した新しいフイ-ドスル-を用いており、実装も容易である。 2.1.と並行して、色々な回路構成のCMOSC-Fコンバ-タICを作り、温度係数などの特性が最適になる条件をもとめ、回路シミュレ-ション結果と比較した。このことにより、容量検出回路の最適設計の指針を確立した。 3.1、2の結果をもとに大きさ1.7×2.2×0.5mmの集積化容量型圧力センサを製作した。センサ容量と回路を近ずけて配置することにより、感度低下の原因となる寄生容量を極力減らすよう構造を改良した。感度は約30Hz/mmHgで、温度ドリフトは0.046%F.S./Cと1.に比べ、高性能化がはかれた。 4.体内実装技術については、前年度からピエゾ型センサで研究を続けており、その技術がそのまま適用できる見通しを得ている。
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