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光ファイバ-スコ-プは医用の内視鏡あるいは非破壊検査のための有力な手段として多く用いられてきている。しかし従来の系では、ファイバ-の一本を一つの画素として用いているために数万本のファイバ-を束ねて用いる必要があり、その結果ファイバ-スコ-プの直径は必然的に大きくなっていた。これに対し、本研究の目的はファイバ-一本のみを用いた極細型のファイバ-スコ-プ系を完成させることにあった。このために丁度時間軸を逆転させたような位相共役波を光ファイバ-の出力面で発生させ、これを同じファイバ-に逆伝播させることで、一本のファイバ-のみを用いることによる画像の歪みを自動的に補正し高画質の画像を得、更に三次元的な情報の再生を利用した応用についても検討することであった。これらの目的に沿って、まずその原理を実証すべく基本的な系を構成して実験を行った。すなわち、観測物体の画像を一本の多モ-ドファイバ-を用いて位相共役波発生用結晶に入射し、そこから出射する位相共役波を同一のファイバ-を通して歪の補正された画像を得る光ファイバ-スコ-プ系を構成し、ファイバ-からの出力画像はテレビカメラ、画像メモリ-を通してディスプレイに表示するようにした。次にこの系を用いてファイバ-長が60mm程度までのものについてファィバ-の曲げなどを含んだ種々の条件のもとで実験を行い、光ファイバ-の特性と得られる画像の質との関係などを実験的に明らかにした。これらの結果はこの方法で十分実用に供しうるファイバ-スコ-プが実現できることを示しており、その設計法と基礎的結果はApplied Opticsおよび計測自動制御学会の論文として報告した。更にファイバ-スコ-プとしての諸特性について詳細に調べると共に更に実用的な系としてICチップなどの微小物体について多くの観測例を得た。
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