研究課題/領域番号 |
63850090
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
上野 照剛 九州大学, 工学部, 教授 (00037988)
|
研究分担者 |
松岡 成明 産業医科大学, 教授 (10122855)
加藤 元博 九州大学, 医学部, 教授 (90038638)
原田 耕介 九州大学, 工学部, 教授 (90037705)
円福 敬二 九州大学, 工学部, 助教授 (20150493)
吉田 啓二 九州大学, 工学部, 助教授 (80108670)
|
キーワード | 脳磁図 / 電流双極子 / 磁束反転 / SQUID / 逆問題 / 複合活動電流 / 睡眠脳磁図 / Kーcomplex |
研究概要 |
脳磁図イメ-ジングの実用化研究において、脳磁図の測定デ-タから脳内電源の局在性推定を行う、いわゆる逆問題を解くにあたっての基本的問題点について調べた。特に、頭内部の不均一領域が脳磁図に与える影響について調べた。不均一領域の近くに電源が存在している場合、不均質部分の導電率が変化することによって頭皮上に生成される磁場のN極とS極の極性が反転する場合がある。これを磁束反転現象と呼ぶが、この磁束反転が起こり得る条件、すなわち不均一部分と電流双極子の関係を明らかにした。また、有限要素法を用いて、体積導体内を流れる二次的電流が磁場に及ぼす影響について解析を行った。その結果、電源付近に境界がある場合や導電率が異なる領域が存在する場合、磁場には二次電流によって顕著な変化が現れることがわかった。 逆問題に関しては、半無限導体モデルにおいて、複合活動電流が導体表面に生成する磁場の時間関数から電源の伝導速度と数を推定する逆問題について研究を行った。この方法は、既知の速度域における本数分布を推定する方法に比べて広範囲の速度群に対応でき、計算時間が著しく短いという利点をもつことがわかった。 次に、1チヤネルSQUID磁束計を用いてヒトの睡眠時における脳磁図の計測を行い、各睡眠ステ-ジの脳波に対応する脳磁図を得た。この中で、睡眠2期に発生するKーcomplexに着目し、この発生源の解析を行った。Kーcomplexの二次元脳電図を求めると前頭から頭頂にかけて電位が高く、後頭部が低い双極性の空間パタ-ンを示すので、この発生源は1個の電流双極子だと仮定することができる。しかし、脳磁図を測定し磁場と脳波の位相関係を調べると、Kーcomplexの発生源は2ケ所、すなわち、2個の電流双極子で仮定されることがわかった。
|