研究課題/領域番号 |
63850092
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 宏一郎 東京大学, 工学部, 教授 (90010694)
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研究分担者 |
永井 英晴 東京大学, 工学部, 助手 (20143399)
岡 徳昭 東京大学, 工学部, 助手 (80010891)
鈴木 英之 東京大学, 工学部, 講師 (00196859)
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キーワード | 中水深域 / 空間利用 / 海上ビジネス都市 / 構造工学的可能性 / 半潜水式 / リング状構造体 / 接続システム |
研究概要 |
水深30〜70[m]の中水深域を利用し、昼間人口3万人の海上ビジネス都市を構造体で構築するものとして、その開発と構造工学的可能性の検討を目的とした。サイトとして伊勢湾津沖の地点を選定した。ここにコンセプトとして外径1.000[m]、内径800[m]で断面が6層からなる半潜水式リング状構造体を6個の支持構造体で海底と結合する構造体システムを構想した。 先ず、伊勢湾の外乱に関するデ-タによりそれらの期待最大値を求めた。風、潮流に関しては実験により、波浪に関しては、3D特異点分布法を基礎として波の相互干渉を考慮した解析法をを開発し荷重を評価した。地震に関してはエルセントロ地震の加速度記録を用いた。 風、潮流による荷重に対しては定常として、波浪、地震による荷重に対してはそれぞれ周波数領域、時間領域において半潜水式リング状構造体を3D梁構造として応答を算定した。結果をあらかじめ設定した応力および加速度の基準と比較して許容されることを確認した。 主荷重である、波浪荷重と地震荷重は異なった入力様式であるため、半潜水式リング状構造体と支持構造体との間の特殊な接続システムが必要とされることが判り、そのコンセプトを開発した。これは多数の積層ゴムと空気シリンダにより構成されるシステムであり、大地震時に空気シリンダの圧力が解放されて、接続部における半潜水式リング状構造体の水平運動をほぼ無拘束とするものである。 最後に、支持構造体の数を最小化する最適化を行い、関連設計パラメタを変化させることにより、これを3個まで減少させられることが判った。 以上により構想した構造体システムの構造工学的可能性は検証されたと考えるが、接続システムについては本格的実験による検討が残された。
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