研究課題/領域番号 |
63850094
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶構造・建造
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
豊貞 雅宏 九州大学, 工学部, 助教授 (30188817)
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研究分担者 |
萩原 行人 新日本製鐡(株)第二研究所, 主任研究員
有持 和茂 住友金属工業(株)総合技術研究所, 主任研究員
河野 俊一 山口大学, 工学部, 教授 (40044276)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | Strain Ratc / mperature Rise Due To Plastic Work / rain Ratc Temperature Parameter / Constitutive Equation / namic Fracture toughness / Dynamic CT Test / Dynamic COD Test / namic ThermoーPlastic clastic FEM |
研究概要 |
動的問題の基礎となるひずみ速度と温度をパラメ-タとする鋼材の構成方程式を、これまで一般的に取扱われている曖昧な準静的状態からの過応力という表示法を排除し、ひずみ速度および温度から熱力学的に定義されるStrain rateーtemperature parameter Rを用いて表現できることを明らかにした。この構成方程式を組入れ、き裂鈍化、さらには各要素の塑性仕事による発熱およびその熱伝導による散逸を考慮できる動的熱弾塑性有限要素法(FEM)を開発した。さらに負荷速度の異なる丸棒引張り試験で塑性仕事が熱に変換される割合を検討し、塑性仕事の内約1割がすべり帯の形成など熱以外に費やされることが判明した。 次に負荷速度が異なるCT試験を実施し、負荷中のき裂先端近傍のひずみ分布を、あらかじめけがいた格子間隔をビデオに記録した結果より計測した。さらにアンビルで破断しないようにした三点曲げ試験片の落重試験を実施し、残留ひずみ分布を計測した。そして上記FEMによる結果と比較検討し、FEMの妥当性を変形挙動の観点から確認した。そしてFEM結果より、き裂先端近傍ではひずみ速度が大となるが、塑性仕事による温度上昇も大きくなり、その結果として降伏点が場所によらずほぼ一定になる傾向があり、高速負荷時のひずみ分布が試験温度より低温で静的な負荷を与えた場合のそれに酷似していることが判明した。 さらにサ-モビュアにより種々の負荷条件を与えたCT試験片の負荷中におけるき裂線上の塑性仕事による局部温度上昇分布を計測し、個々の試験条件に対応するFEM解析結果と比較検討し、上記FEMは温度上昇の観点からも妥当であることがわかった。 そしてこれらの結果より、静的破壊靭性試験で計測されるデ-タを基にして、任意ひずみ速度下における破壊靭性値を推定する手法を導いた。
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