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1988 年度 実績報告書

構造用ケーブルの振動減衰能の解明と高減衰ケーブルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 63850100
研究機関埼玉大学

研究代表者

山口 宏樹  埼玉大学, 工学部, 助教授 (50134474)

研究分担者 中村 俊一  東京湾横断道路, 設計部, 技師
藤野 陽三  東京大学, 工学部, 助教授 (20111560)
キーワードケーブル / モード減衰 / 内部減衰 / 支点減衰 / 振動実験 / 有限要素法 / 制振
研究概要

今年度は構造用ケーブルの振動減衰能の解明を主目的として、模型ケーブルを用いた振動実験および有限要素法に基づく固有振動解析により、ケーブルのたわみ振動時のモード減衰機構をその固有振動特性との関連において検討した。得られた主な成果は以下のとおりである。
1.大気中にあるケーブルのモード減衰の主要因は、ヒステリシスエネルギーによる内部減衰とケーブル支持点でのエネルギー散逸、つまり支点減衰との二つであり、モード減衰はそれらの和として与えられる。
2.内部減衰は固有振動時の変動ひずみの2乗に比例する。例えば、ケーブルの面内対称モードのモード減衰は、モード遷移領域にあるサグ比の場合に非常に大きくなるが、これは固有振動時の変動ひずみがモード遷移域での対称モードにおいて大きくなるためである。
3.内部減衰はケーブルに導入される初期張力にも依存する。これはケーブルが素線の集合体であるためであり、初期張力が小さい程、ヒステリシスループのふくらみが大きくなって減衰が大きくなる。しかし、初期張力が引張強度の2割程度導入されると初期張力の影響はなくなる。
4.支点のフレキシビリティは面内対称モードにのみ影響し、固有振動時変動ひずみが変化することからモード減衰も影響を受ける。支点がフレキシブルになる程、減衰はサグ比の小さい場合に小さくなるが、サグ比が大きくなると減衰はかえって大きくなる。
5.支点減衰のモード減衰への寄与は、固有振動時の支点変位(支点のモード振幅)の2乗の重みが支点減衰にかかる形で表される。
以上のように、ケーブルの振動減衰能の基本的特性は十分に把握でき、高減衰ケーブル開発のための手がかりが得られたといえる。高減衰ケーブルについては資料収集等の予備的検討を行ったが、今後、上記の成果を基に具体化する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hiroki YAMAGUCHI: Structural Eng./Earthquake Eng.,JSCE. Vol.5 No.2. 303 S -311 S (1988)

  • [文献書誌] 山口宏樹: 埼玉大学工学部建設系研究報告. 18. 31-42 (1988)

  • [文献書誌] Hiroki YAMAGUCHI: Proceedings of DAMPING'89. GBC1-GBC13 (1989)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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