研究課題/領域番号 |
63850103
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松井 繁之 大阪大学, 工学部, 助教授 (70029271)
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研究分担者 |
園田 恵一郎 大阪市立大学, 工学部, 教授 (70047108)
大谷 恭弘 大阪大学, 工学部, 助手 (40194196)
福本 ゆう士 大阪大学, 工学部, 教授 (10023045)
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キーワード | RC床版の耐久性向上 / 疲労に対する水の影響 / 防水工 / エポキシ樹脂 / ゴム化アスファルトシ-ト / アクリル樹脂 / 輪荷重走行試験機による疲労実験 |
研究概要 |
これまで報告された実橋の陥没事例はほとんどが水の浸透による疲労破壊であることが、本研究の調査で明らかになった。床版上面に水を張って疲労実験を行うと、中立軸より上のコンクリ-トが骨材化し、実橋の破壊状況が再現できた。このような破壊機構の観察から、床版の疲労耐久性を向上させるには、床版に雨水が浸入することを防止することが基本であり、防水工の設置が不可欠と言える。 これまでわが国で開発されてきた防水材料はおもに建築の屋根防水のためのものであり、静的荷重下において、湿度、紫外線、オゾン、および、熱に対する抵抗性によって良否が判定されている。しかし、道路橋床版に適用する場合には橋軸直角方向のひびわれの動きに対して耐久性を持たせなければならない。また、輪荷重の面圧に対しても抵抗性が大でなければならない。以上のような観点から、本研究が計画実施された。種々の防水材料を床版に施工し、輪荷重走行試験機による疲労実験を行い、疲労寿命、破壊状況を調査観察し、道路橋床版に適用可能な防水工の模索を行った。本研究の主な成果は以下のとおりである。 (1)水の浸透は床版上面の橋軸直角方向のひびわれに原因している。 (2)現在慣用しているアスファルト舗装には防水性は全く期待できない。 (3)エポキシ樹脂系塗膜防水工、ゴム化アスファルトのシ-ト系防水工が現在床版防水工として主流であるが、エポキシ樹脂系は伸びが少なく、ひびわれの動きに対して追従性が乏しい。ゴム化アスファルトシ-トは防水性は期待できる。ただし、アスファルトとの接着性が悪い場合には舗装のわだち変形を助長させる。 (4)アクリル樹脂の塗膜防水工は厚さ3mm以上にすると防水工としての効果が期待できる。 (5)今後は施工性の調査研究が必要である。
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