研究分担者 |
田蔵 隆 清水建設(株), 技術研究所, 主任研究員
千葉 利晃 福山大学, 土木工学科, 助教授 (80061563)
原田 隆典 宮崎大学, 土木工学科, 助教授 (70136802)
小長井 一男 東京都大学, 生産技術研究所, 助教授 (50126471)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027294)
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研究概要 |
表層地盤の地震波の増幅作用評価で、本研究では2次元モデルを主体にし、不整形基盤上の沖積層内の波動伝播を調べた。解析法として、振動数領域法と時間領域法の境界要素法,またそれらの有限要素法とのハイブリッド法を採った。パラメ-タには、入射波種別,入射角,地形,形状比を設定し,代表的な無次元振動数に対する地表面の応答の様相を明らかにした。これらの解析で必要となる一様/層状の無限/半無限平面のグリ-ン関数の定式化およびその効率的計算法の開発を行った。振動数解析法では波数積分をGaussの求積法,修正ClenshawーCurtis法と採ったが,被積分関数の特異性に関しては入念な考慮を払った。時間領域解析法では、Cagniadーde Hoop法を適用し解析的に行った(無限平面のみ)。 軟弱地盤上の基礎形式として群杭が多く、そのため地盤との相互作用における杭ー地盤ー杭の連成解析法と開発した。定式化は地盤と杭をサブストラクチャ化して、自然地盤に加振力の作用がある状態と、杭が地盤反力を受ける状態とする。前者には薄層要素法から対処し、後者は離散質量系と分布質量系を採った。そして両手法による杭頭インピ-ダンスを比較した。また大口径杭の加振実験のシミュレ-ションを実施し、解析精度の検証を行った。剛体埋め込み基礎に対しても解析法を開発した。 強震時の地盤の挙動は大ひずみ状態でかなり強い非線形特性と、不規則性のための基線のドリフトを伴う履歴性を呈する。ここでは、土の応力ーひずみの特性を仮定して、1次元、2次元地盤モデルの地震応答を直接遂次積分法と等価線形化手法から計算し、時刻歴において、また応答スペクトル図において比較した。杭基礎の地盤の非線形性を考慮した応答計算も実施した。これらにより、モデル化の差と共に地盤の非線形性の効果を評価した。 以上は,長大土木構造物の動的応答解析に有効に組み入れられる。
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