研究課題/領域番号 |
63850109
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮川 豊章 京都大学, 工学部, 講師 (80093318)
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研究分担者 |
前野 賀彦 舞鶴工業高等専門学校, 講師 (90110139)
宮本 文穂 神戸大学, 工学部, 助教授 (10093535)
井上 正一 鳥取大学, 工学部, 助教授 (10032286)
川東 龍夫 近畿大学, 環境科学研究所, 助手 (10140310)
小林 和夫 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10021586)
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キーワード | 塩害 / 鉄筋コンクリ-ト部材 / 軸方向ひびわれ / ライニング / 疲労 |
研究概要 |
塩害を受けた鉄筋コンクリ-ト部材においては、鉄筋に沿ったひびわれ、軸方向ひびわれが生じるのが一般的である。このような状態にある鉄筋コクリ-ト部材の耐荷力は、塩害の程度、すなわち軸方向ひびわれの状況や、その時点における鉄筋強度に依存して変化するが、構造物のじん性は軸方向ひびわれの発生を境にして大きな低下を示す。塩害以前の段階として、コンクリ-ト構造物が湿潤でしかも塩害を引きおこす可能性のある腐食環境下に設置される場合、それだけで耐荷力が低下する場合がある。腐食環境下における鋼の疲労がその代表例で、海水中における鋼の疲労強度は気中のそれの実に1/3程度まで低下する。したがって、コンクリ-ト構造物においても幾らかの疲労性状の低下はやむをえないところであるが、このような性状の低下の累積が次の段階の構造劣化を加速する。 まず、気中、真水、海水などの腐食環境の相異がコンクリ-ト構造物の疲労性状に与える影響を明らかにするための試験を行った。その結果、コンクリ-ト部材の疲労強度は、コンクリ-トが未だ健全である状態においても、気中、水中、海水中と順次小さくなり、腐食環境の影響をきわめて強く受けることが明らかとなった。 次に、環境の厳しい海洋コンクリ-ト構造物の耐久性、とりわけ耐疲労性の向上を目的として、コンクリ-ト表面ライニングをとりあげた。その結果、繰返し荷重下におけるライニングのひびわれ追従性は、静的荷重下におけるよりも大幅に低下することが明らかとなった。
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