研究課題
本研究は、土地区画整理における計画策定を合理的に支援するための計算機支援システム構築を目的としている。今年度は、初年度に開発した(1)街区設計支援システム(2)換地設計支援システム(3)土地評価支援システムの3つのサブシステムを統合し、上記の目的を達成する土地区画整理のための設計支援システムを開発した。すなわち、各サブシステムを統合するために必要なインタフェ-スソフトを作成すると共に、設計過程で頻繁に使用される地図デ-タを効率良く管理、運用するために数値地図デ-タベ-ス管理システムを開発した。開発にあたっては、設計案作成におけるデ-タの操作性の向上、設計評価での種々の地理的なデ-タ解析の自動化等を可能とするデ-タモデルとした。さらに、既成市街地及び新開発地でケ-ススタディ地区を選定し、実際に使用されている図面、帳票等のデ-タを用いて支援システムの適用を行った。適用結果に基づき各サブシステムの有効性を確認すると共に、より合理的かつ実用的な設計支援を実現するために、以下の改良を行った。1.街区設計支援サブシステム:多様な代替案を効率よく作成するための自動設計機能の追加及び、マンマシンインタフェ-ス機能の改良。2.換地設計支援サブシステム:画地割り当てアルゴリズムの改良及び、不整形街区への割り込み機能の追加。3.土地評価支援サブシステム:路線価エキスパ-トシステムにおける推論機能の改良及び、グラフィック出力による表示機能の改良。このように、土地区画整理設計支援システムの開発を完了したことによって、本研究の当初に掲げた目的を十分に達成したものと考えられる。