研究課題
試験研究
本研究では、これまでに研究されてきた交通統合モデルをプログラム化してマイクロコンピュ-タ-用のソフトウェアを開発し、交通計画のための有用な情報を与える支援システムを構築した。本研究の成果は次のとおりである。(1)交通統合モデルの利用により、従来の予測方法に基づく交通量推計作業に比べて、予測精度が向上した。(2)交通均衡モデル、費用便益分析、財務分析の個々のプログラムを統合することにより、需要予測と代替案評価を総合的に支援するシステムを構築することができた。(3)本システムとユ-ザ-の相互連絡を図るために、マトリックスエディタ-、配分エディタ-、関数エディタ-という3つのエディティング機能をもたせ、入出力デ-タの更新・修正・削除等が容易に行えるようにした。以上は本研究の主な結論であるが、次のような課題が残されている。(1)成果(3)におけるエディティング機能に対し、当初はネットワ-クエディタ-も装備する予定であったので、この機能がまだ不十分であり、さらに拡充していく必要がある。(2)本システムを実際の交通分析に応用することによってシステムの問題点を抽出するという作業が残されている。今回の調査研究では、民間コンサルタントの参加を依頼し、出力形成等については検討してもらったが、もう1つのユ-ザ-として想定される地方公共団体の意見までは考慮できなかった。こうしたコンピュ-タ-による支援システムがより実用性をもつためには、操作性の向上が最大のポイントとなり、この点では本システムはさらに改良の余地があると思われる。
すべて その他
すべて 文献書誌 (28件)