研究課題/領域番号 |
63850124
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
花木 啓祐 東京大学, 工学部, 助教授 (00134015)
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研究分担者 |
田中 修三 明星大学, 理工学部, 助教授 (00171760)
松尾 吉高 中央大学, 理工学部, 助教授 (00173807)
佐藤 和明 建設省, 土木研究所・下水道部, 室長
松尾 友矩 東京大学, 工学部, 教授 (80010784)
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キーワード | 嫌気性処理 / 嫌気性ろ床 / メタン発酵 / 食堂廃水 / 脂質 / 硫酸還元 |
研究概要 |
上向流嫌気性ろ床法は、エネルギー多消費型の好気性廃水処理に代わる処理プロセスとして注目されており、各種廃水(産業廃水や都市下水)に対する適用がフルスケールで開始されようとしている。本研究は特に実用化にあたっての諸問題を検討する目的で開始された。 1、研究打合せ会の開催…63年8月19日に第1回の研究打合せ会を開催した。ここでは、これから研究を開始するにあたっての課題について議論が行なわれた。とりわけ、実用化の見通しや、その際に解決すべき問題について検討が行なわれ、これらの点を背景として理解した上で各自の分担課題にとり組むことを確認した。 2.食堂廃水の処理…大学食堂廃水を嫌気性ろ床で処理することによって、変動の大きい実廃水に対するプロセスの適応性を調べる。分析の結果、食堂廃水中には比較的高濃度の脂肪分が含まれていることがわかった。そのため、廃水を直接嫌気性ろ床で処理する単相消化方式に加えて、脂質の分解性能が秀れている二相消化方式をも用いて比較することが必要と考えられた。滞留時間を10日程度にして連続運転を行なっており、良好なCOD除去が得られている。 3.硫酸還元反応…下水程度の濃度の廃水の処理に嫌気性ろ床法を適用する際、硫酸還元によって生成する硫化物が処理水のCODに寄与し十分なCOD除去率が得られなくなることがあり、硫酸還元を起こさずにメタン発酵を進行させ得る条件を探るため連続実験を開始した。基質にはグルコースと酢酸を用いている。 4.脂質による阻害…高級脂肪酸がメタン発酵を阻害することが知られているが、通常廃水中の脂質は中性脂肪の形で存在する。そこで、各種の中性脂肪による阻害、あるいはそれ自身の分解の過程を主としてバッチ実験により調べた。その結果中性脂肪の加水分解は速かった。
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