研究課題/領域番号 |
63850124
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
花木 啓祐 東京大学, 工学部, 助教授 (00134015)
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研究分担者 |
田中 修三 明星大学, 理工学部, 教授 (00171760)
松尾 吉高 中央大学, 理工学部, 助教授 (00173807)
高橋 正宏 建設省, 土木研究所・下水道部, 室長
松尾 友矩 東京大学, 工学部, 教授 (80010784)
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キーワード | 嫌気性処理 / 嫌気性ろ床 / メタン発酵 / 生物膜法 / 硫酸還元 |
研究概要 |
最終年度である今年度は、昨年度までの研究を更に発展させて行くとともに嫌気性ろ床法の実用化について総括的に議論した。 1.研究打合せ会の開催ーーーこれまでの全研究成果を総括する目的で平成3年1月24日に打合せ会を催した。これまでの知見を総合すると、嫌気性ろ床法は実用化できるとの結論を得た。 2.嫌気性ろ床内の生物量蓄積ーーー前年度から実施して来た実験の結果は次のようである。(1)COD除去やメタン生成量がみかけの定常に達してもろ床内の生物、あるいは固型分は更に増え続ける。(2)ろ床内の生物量を、ろ床上部の付着生物、ろ床下部の付着生物、浮遊性生物に分けてその時間変化を測定した結果、ろ床下部の生物の増加がいちじるしいことがわかった。(3)単位生物量あたりのメタン生成能を比較するとろ床上部の生物が能力が大きいことがわかった。(4)グルコ-スを基質にした場合の増殖収率は0.gVS/除去COD,酢酸基質の場合は0.gVS/除去CODであることがわかった。(5)ろ床内の生物量の増加を無視して増殖収率を計算すると誤った結果を得てしまう。 3.硫酸還元反応ーーー嫌気性生物膜においてメタン生成,脱窒,硫酸還元がどのように起きるかを実験的に調べた。その結果、脱窒と硫酸還元が共に起きるような状態下ではメタン生成が大きく低下することが明らかになった。このことは、硫酸塩と硝酸塩を含むような工場廃水を嫌気性ろ床で処理する際に問題になるだろう。 4.多段反転流式バイオリアクタ-ーーー現在開発が進行中の本プロセスが打ち合せ会で紹介され、その将来性、嫌気性ろ床との比較に関して議論を行なった。
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