研究課題
平成元年度の研究計画の各項目に従い、研究実績の概要を述べる。1.鉄筋コンクリ-ト平面骨組構造物の弾塑性解析による応力分布図・変形図をカラ-グラフィック表示することを可能にした。本システムによると任意の変形状態における任意の部分の応力状態を瞬時に表示することができ、変形増大に伴う塑性域の拡大の様子、力の再配分の様子、力の流れの様子が非常に把握しやすくなった。2.個々の部材の座屈を考慮した大スパントラス構造物の地震応答解析による、応力分布、変形状態をカラ-グラフィック表示するシステムの開発を行った。このシステムによると、大スパントラス構造物の動的挙動に対し、任意の時刻における応力分布・変形状態を表示できる。多部材・多自由度の大スパントラス構造物の挙動は複雑なモ-ドを示すが、このような状態における応力状態・変形モ-ドを把握するためには、カラ-グラフィック表示による可視化が非常に有効であった。また、こま撮りによりトラスの動的挙動をアニメ-ション表示したが、時々刻々挙動の流れを把握することに対して有効であった。3.静的解析として4層1スパン、4層3スパンおよび15700自由度の4層7スパン鉄筋コンクリ-ト平面骨組構造物を、動的解析としてスパン200m、3360部材からなるトラス構造物を例題として扱った。4.板の座屈・振動に関しては行っていないが、有限要素法によりボルト・ナットの解析を行い、応力分布・変形状態をカラ-グラフィック表示し、力の流れ、変形の様子を把握しやすくした。5.本プログラムはUNIX系、VOSー3系に導入済であり、他のシステムへの導入も簡単にできるものである。6.各解析プログラムおよびグラフィック表示プログラムに対し、わかりやすいマニュアルを作成した。
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