研究課題/領域番号 |
63850136
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 泰二 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助教授 (80006030)
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研究分担者 |
鴻巣 彬 東北大学, 工学部, 助教授 (20089791)
大森 康男 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (20006026)
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キーワード | コバルト / 黄鉄鉱 / 磁鉄鉱 / 浮選 / EPMA |
研究概要 |
ペルー、マルコナ産鉄鉱石中には約0.03%のCoが含まれている。本研究においては第1段階として原鉱石中から浮選によりCoの回収を行った。原鉱石をロールクラッシャー、サンプルグラインダーで-48meshに粉砕しさらにボールミルで30分間摩鉱し、-200mesh、70〜80%の産物について浮選を行った。浮選機はFW型、捕収剤はアミルザンセート、起泡剤はpine oilを使用した。本鉱石中に含まれるCoは硫化鉱と挙動を共にするため、浮鉱中に大部分が濃縮され、尾鉱中に鉄分(主として磁鉄鉱)が濃縮される。粗精鉱を精選した場合の浮鉱産物中に含まれるCo品位は0.45%であり、S:44.5%、Fe:42.3%、Cu:2.15%、As:0.03%である。これは初期の目標値1%に比べてかなり低い値である。 Coの鉱物としてはcobalitite:CoAsS、smaltite:CoAs_2、linnalite:Co_2O_3、CoS、Co_3S_4、glancodote:(CaFe)As等が考えられるが精鉱中のAs含有量が低いこと、および精選によってCo品位が1.5%以上増加しないことから、主として黄鉄鉱中に共存するものと考えた。従って精鉱中の数種類の黄鉄鉱についてEPMAを用い、エネルギー分散方式(EDX法)によりCo品位を測定した結果、全く含まれない粒子、Coを含有しているが組織によって1.98%、0.24%とかなり不均一な値が得られた。(他の粒子では1.54%、0.11%) これらの粒子はCo品位が異なっていても顕微鏡下では全く組織上の差は認められない。又上記鉱物についてエッチング試験、反射率測定、硬度測定、磁性測定を行ったがその差は認められない。 以上の実験から黄鉄鉱の中にCoを1.5〜2.0%含む粒子、0.1〜0.25%含む粒子、全く含まれない粒子の3種類が存在するものと考えられる。これらの粒子を分離することは現在迄のところ成功していないが、Co1%を含む精鉱を得るプロセスを目下検討中である。
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