研究課題/領域番号 |
63850140
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 彰一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20089824)
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研究分担者 |
森 勉 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40016259)
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (50161120)
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キーワード | 電顕内その場観察 / 耐熱合金 / 高温変形 / 形状記憶合金 / 超高圧電子顕微鏡 |
研究概要 |
日立製作所との共同開発により設計・試作した超高電圧電子顕微鏡内加熱クリ-プ試験機は、昨年度まで事故なく所定の機能を発揮したが、くり返し高温で使用することにより0ーリングの劣化が認められ、ホルダ-の分解と修理を行った。修復したホルダ-の性能は良く、本年度計画した3つのテ-マについて以下に述べるように十分な成果が得られた。 〈Ni_3Al合金単結晶のその場引張り〉 巨視的圧縮試験や真空排気装置内変形の光顕観察と電顕内その場観察を組み合わせて実験結果を検討することにより、逆温度依存の要因は、{111}面から{100}面への交叉すべりの活発化に由来するという従来の考え方を支持する結果を得、らせん成分を有する転位セグメントの割合と変形量や変形温度との対応から、強化機構は、例えば可動転位間の距離の短縮によるオロワン応力の上昇に起因すると結論された。なお、ピ-ク温度以上における{001}面すべりについても有益な情報を得た。 〈FeーMnーSi合金のε→γ逆変態〉 クリ-プ試験ホルダ-によって荷重を加えた状態で加熱し、ε→γ逆変態を起こさせることにより、逆変態に伴う複雑な形状変化を抑制し、それぞれのε相の逆変態の観察とその温度の測定に成功し、他のε相にぶつかり、もとの部分転位が吸収されてしまうと逆変態温度が200℃上昇し、さらにε相同志が完通すると交叉点に形成された微小なα相が逆変態温度を400℃以上に上昇させることがわかった。 〈ステンレス鋼におけるチャネリング変形〉 プロトン照射によって導入した大小の転位ル-プが電顕内その場引張りで消滅する過程を観察し、ステンレス鋼では他の材料に比べル-プが消滅し難いことを見出し、その機構について考察した。
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