研究課題/領域番号 |
63850142
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大森 康男 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助教授 (20006026)
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研究分担者 |
坂本 登 日本鋼管中央研究所第一研究部, 課長
斉藤 汎 日本鋼管中央研究所銑鋼技術部, 製銑チームリーダー
重野 芳人 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (70108570)
井上 博文 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助教授 (70006039)
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キーワード | Wicke-Kallenbach法 / ガス有効拡散係数 / 分子拡散 / クヌーゼン拡散 / 高温測定 / 段階還元 / 酸化鉄ベレット / 焼結鉱 |
研究概要 |
1.定常法による測定 高温型WーK法の作成を終了し、定常法による各種鉄鉱石塊成鉱(酸性および塩基性ペレット、人工焼結鉱)中の等圧条件下におけるガス有効拡散係数ならびに一定圧力勾配下におけるガス透過率の測定を実施した。後者の試料は試薬合成による単一組織(カルシウムフェライト、ヘマタイト等)を有する焼結鉱である。各試料は一酸化炭素と二酸化炭素の混合比を調整した還元ガス中で、ヘマタイト、マグネタイト、ウスタイト、鉄の順に還元し、各還元段階における分子拡散、クヌーゼン拡散、粘性流に関する気孔構造因子を求めた。測定はアルゴンーヘリウム系の不活性ガスを使用した。これらの因子を通常の気一固反応の数式モデルに使用される有効拡散係数に変換し、さらに上記直接測定結果とは別に実施した総括反応速度の測定から未反応核モデルにより求めたガス有効拡散係数との値を比較したところ、比較的近い値を示すことがわかった。これらの結果は裏面11に示す論文に投稿予定である。また現在測定途中であるが、焼結鉱に関しては、ヘマタイト相に比較し、カルシウムフェライト相のガス有効拡散係数の値がはるかに大きいことがわかった。したがって、高炉原料である焼結鉱の被還元性を大きくするためには、カルシウムフェライト相の制御が重要であると結論される。ただし、原料試薬の粒度分布、焼結体作成時のプレス圧、焼結温度等の条件の違いによる影響を現在検討中である。 2.非定常法による測定 ガス濃度の連続測定に必要な熱伝導度セルの装置への組み込みが終了し、サンプリングガスの導入方法を検討している段階である。また高温測定の場合の拡散セルは必然的に死容積が大きくなるために、測定精度が低下する。現在これらの技術的課題の解決方法を検討中である。
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