研究分担者 |
松井 正広 (株)阪村機械製作所, 部長
北脇 岳夫 東洋特殊鋼業(株), 都祁工場, 工場長
和田 任弘 奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (10141912)
岩井 保善 奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (90043471)
小畠 耕二 奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (00043480)
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研究概要 |
本年度は,開発中の温間ホ-マ(30tonf油圧ー電気サ-ボプレス)の動作特性についてさらに検討を加えるとともに局部熱処理ブランクにおける限界絞り比に関する解析を行った。また,温間深絞りの変形挙動の実験的効析を試みるとともに最適温間加工装置(16KVA通電加熱金型,PID温度制御システム)を試作し,加工熱処理の適用を図った。 温間ホ-マの制御精度の向上を図るため,(1)時間制御によるラム速度およびストロ-ク誤差,(2)操作性,(3)デ-タの保存・再成等の問題に焦点をあててサ-ボソフトウェアの改善を行った。すなわち,サ-ボ入力の線形化による誤差の抑制のため,比例制御弁のポ-ト形状が起因する非線形部について最小自乗法による回帰曲線を求めてプログラム内に組み込んだ。また,時間制御から位置制御にプログラム更新することによりラム速度およびラムストロ-クの誤差を最小に抑えることが可能となった。操作性・デ-タ保存再成については,シ-ケンス・ファイルによるサブプログラムを設けて機能の向上を図った。 局部熱処理ブランクにおける限界絞り比向上についての解析では,フランジ部の(1)焼なまし,(2)ブランク中央部の焼入れ焼もどし,(3)フランジ部の焼なましーブランク中央の焼入れ等について検討を加えた。理論解析においてはブランクのフランジ部と中央部の変形抵抗差をベ-スにおいた力学を用いた。以上の解析より,(1)〜(3)における限界絞り比はそれぞれLDR=3.1,9.5,13.1となり熱処理を施さない場合(2.7)に比べていずれも加工限界が向上することが明らかになった。 温間深絞りの変形挙動の解析および加工熱処理(焼もどし温間加工)の適用についての実験より,局部加熱によるメタルフロ-の制御の可能性と製品材質の改善の可能性が確かめられた。
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