研究課題/領域番号 |
63850149
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
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研究分担者 |
大森 守 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30005954)
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
佐々木 真 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70187128)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60125549)
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キーワード | 傾斜複合化 / 傾斜機能材料 / 炭化チタン / 炭素 / 炭化珪素 / CVD-TiC / SiC / 複合材料 |
研究概要 |
TiC/C系傾斜機能材料のCVD法による最適合成条件を検討するに当たり、(1)TiC類化合物であるSiCおよびCについての検討、(2)SiC/C傾斜機能材料の合成、について先行して研究し、その後、(3)TiC/C系無傾斜材料の合成条件の検討、(4)TiC/C傾斜機能材料の合成、を行った。SiC/C系では、原料ガス中のSiC/Cを制御することにより、SiCからCに至る種々の組成のSiC/C無傾斜材料の合成に成功した。緻密な板状の析出物が得られる条件を明らかにし、この条件に基づいて、SiC/C傾斜機能材料の合成に初めて成功した。この材料は、高温度落差のある超高温環境下においても優れた耐熱衝撃性および遮熱性を合わせ持つ材料であることがわかった。 次に、SiC/C系複合材料の中間組成域における空隙量の制御を主目的として、TiC/C系無傾斜材料の合成条件の探索を行った。本研究者らが設計、作製したCVD実験装置を用いて、Ti源としてTiCl_4を、C源としてCH_4を原料ガスとして、またTiCl_4のキャリアガスとしてH_2を用いた。黒鉛基板上に板状TiC及びTiC/C系無傾斜材料が合成される条件の検討を行った。1673K、1.3KPaという比較的低温低圧で広い組成範のTiC/C無傾斜材料が合成された。格子定数の測定から化学量論組成のTiCと非晶質Cとの複合材料であることがわかった。SiC/Cの空隙率の20%に比べてTiC/Cでは、40mol%Cまでは空隙率が数%と比較的緻密な板状複合材料が合成された。このTiC+40mol%Cのヤング率および熱伝導率は、同量のCを含むSiC/Cの値よりも小さく、遮熱性および熱応力緩和特性に優れた材料であることが分かった。基礎的な合成条件に基づいて、TiC/C傾斜機能材料の合成を試みた。異方性の大きい基板上へのコ-ティングの結果、低ヤング率のためにTiC/C系の方が残留応力を軽減することが分かった。
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