研究課題/領域番号 |
63850161
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸田 昭三 東京大学, 農学部, 教授 (40011845)
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研究分担者 |
渡辺 秀夫 東ソー, 科学計測事業部・企画開発部, 部長
大久保 明 東京大学, 農学部, 助手 (20111479)
寺前 紀夫 東京大学, 工学部, 講師 (70114569)
清水 孝雄 東京大学, 医学部, 助教授 (80127092)
沢田 嗣郎 東京大学, 工学部, 教授 (90011105)
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キーワード | プロスタグランジン / ロイコトリエン / レーザー / 蛍光検出器 |
研究概要 |
プロスタグランジンおよびロイコトリエン類の超微量分析用のレーザー励起蛍光検出装置の設計が完成し、現在第1次の試作品を製作中である。本装置には手持ちの空冷アルゴンレーザーを光源として取りつけシステムの調整を行った。購入したNd:YAGレーザーは設置を完了し、調整中である。Nd:YAGレーザーを光源とする蛍検出用のセルの試作を行い、その実用面での改良を行っている。本システムの分析条件設定のための分析用プロスタグランジン類はそのほとんどを市販品の購入により入手し、市販されていないものはアップジョン社より供与を受けることにより入手した。ロイコトリエン類に関しては、市販品の入手ができないものは化学合成を行うことにより作製した。またその生成物のアイソアーの単離精製システムを検討し良い結果を得た。動物あるいは臨床試料からの抽出は、特にロイコトリエン類ではそれぞれの化合物の性質が大きく異なるため、現在完全に確立された方法がなく、來雑物をなるべく少く、目的物を残さずに抽出する方法の確立が望まれている。今回ODS系ミニカラムを用いて本物質の生体からの抽出法の検討を行い、良い成績を得た。プロスタグランジン、ロイコトリエン類への蛍光標識の導入は、現在のところ分子中のカルボン酸を標識するADAM試薬(9ーアントリルジアゾメタン)が主流であり、本研究においてもこれを用いて蛍光標識を行い、通常の蛍光検出器を用いて分離分析システムを検討し、ngオーダーでの検出に関してはほぼ満足のゆく結果を得た。しかしADAM試薬は試薬内での重合が生じ易く、このことにより保存ができなく使用のたびに調製が必要なこと、又標識に際し試薬の分離精製が必要で、標識後も未反応物等の來雑物からの分離に時間を要することなど迅速な分析には多くのシステムの改良が必要なことが判明した。今後これを含めた問題の解決のための検討を行う予定である。
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