研究課題/領域番号 |
63850177
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉彦 京都大学, 工学部, 教授 (40026018)
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研究分担者 |
河村 憲男 住友化学工業, 大阪研究所, 研究員
村上 正浩 京都大学, 工学部, 助手 (20174279)
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キーワード | οージイソシアノベンゼンの合成 / οージイソシアノベンゼンの重合 / キノキサリン骨格の合成 / キノキサリン・オリゴマー |
研究概要 |
1.οージイソシアノベンゼン類の合成法の確立。 一般にイソシアノ化合物の合成は相当するホルムアミドの脱水反応によって行われてきた。しかし、この反応を単にοージ(ホルムアミノ)ベンゼン類に適用しても極めて低収率でοージイソシアノベンゼン類が得られるだけであった。反応条件を種々検討した結果、-78℃でトリクロルメチル・クロルギ酸エステルで脱水反応すると満足すべき収率でοージイソシアノベンゼン類が合成できることが明らかとなった。 2.οージイソシアノベンゼンのオリゴメリゼーションによる含窒素芳香族高分子化合物、ポリ(キノキサリン)の合成 まず、οージイソシアノベンゼンをニッケル錯体触媒によって重合することを検討した。重合反応は容易に進行したが、生成物は有機溶媒不溶の黒褐色の粉末で構造解析が極めて困難であった。生成物高分子の溶解度の向上を期待して、次にοージイソシアノ・テトラメチルベンゼンのニッケル錯体触媒による重合反応を検討した。生成物高分子の溶解度に多少の改良が認められたものの構造解析は依然困難であった。これらの結果を踏まえて、低分子量キノキサリン・オリゴマーの単離、同定の積み重ね研究の必要性を認識した。ジアルキル亜鉛やグリニャール試薬とοージイソシアノ・テトラメチルベンゼンの反応によってキノキサリン骨格が三つ連結したオリゴマーの単離と構造決定に成功した。反応条件の検討により、さらに高分子量のオリゴマーを順次単離、同定し、物性の研究を行う。
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