研究課題/領域番号 |
63850182
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梶山 千里 九州大学, 工学部, 教授 (60037976)
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研究分担者 |
菊池 茂登子 九州大学, 工学部, 教務員 (20183204)
菊池 裕嗣 九州大学, 工学部, 助手 (50186201)
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キーワード | 液晶 / 光散乱 / 電気光学効果 / 表示素子 / ディスプレイ / 自己支持型液晶スクリ-ン |
研究概要 |
1.高分子/液晶ハイブリッド型超薄膜の作製と凝集構造 ポリメチルメタクリレ-ト、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリスチレン等の等方性高分子とシアノビフェニル系低分子液晶を共通溶媒に溶解し、溶媒キャスト法により高分子/液晶ハイブリッド型超薄膜を作製した。形態学的観察、熱的測定によりハイブリッド型超薄膜内で液晶は高分子の三次元網目構造内に連続相として保持された特異な相分離凝集状態となっていることが明からかとなった。溶媒蒸発速度等の製膜過程での動力学的な効果が液晶の相分離ドメインサイズに大きく影響を及ぼすことが明かとなった。 2.高分子/液晶ハイブリッド型薄膜の光散乱に基づく電気光学効果 高分子と液晶が1μm〜10μmのオ-ダ-で相互に入り組んだ凝集構造の時、ハイブリッド型薄膜は顕著な光散乱状態となった。膜面垂直方向の電界のoff-onにより可逆的な光散乱-光透過スイッチング機能が発現した。本補助金により購入したインピ-ダンスアナライザ-を用いた誘電的解析により、光スイッチング速度はマトリックス高分子の誘電率と電気伝導度に依存することが明かとなった。誘電的解析結果に基づいて、マトリックス高分子の電気的性質を改質をすることにより、応答特性を著しく向上させることができた。ハイブリッド型薄膜を用いた表示機能は、従来の液晶表示素子と比較して、1)明るい、2)広視野角、3)立ち下がり応答が速い、4)大面積化が可能、5)フレキシブル、等の長所を有し、大面積、超薄型液晶スクリ-ンとしてマイクロエレクトロニクスへの応用展開が期待されている。
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