研究課題/領域番号 |
63850185
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
国武 豊喜 九州大学, 工学部, 教授 (40037734)
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研究分担者 |
小野 宣昭 サンエス計測, 技術部長 (00161026)
君塚 信夫 九州大学, 工学部, 助手 (90186304)
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キーワード | 単分子膜 / ラングミュアトラフ / 光学顕微鏡 / 重合性脂質 / 累積膜 |
研究概要 |
1.密閉型ラングミュアトラフの試作はカバー部を除いて計画どおり完了した。試作したラングミュアトラフはFSDー50(サンエス計測製)を制御部として用い、以下の特徴を持つ。(1)純水のバリヤーの下部への単分子膜の洩れ出しを防ぐ目的でバリヤーの固定を2点で行なった。(2)低振動のパルスモーターを使い、バリヤーの位置精度0.002mmを実現した。(3)リミットスイッチを三点設置した結果、装置の安全性が高まった。(4)1測定ポイントあたりのパルスモーターのパルス数を可変にしたため、測定ポイントの数を増やすことが可能になった。(5)バリヤーの移動速度を任意に設定できるようになった。 またデータ取り込みの高速化、データの大容量化を可能にするためにFSDー50はNECーPCー9801VXにRAMカード(2M)を増設した。 2.光学顕微鏡観察用小型ラングミュアトラフの試作は完了したが、トラフ底部の石英ガラスと水面までの距離が小さいために圧力センサーの使用が困難な事が判明した。また温度制御が出来ないため、トラフ部の深さを5mm程度確保するとともに恒温水循環システムを導入する必要があるものと考えられる。 3.試作システムの予備的使用をおこなった。小型トラフに関しては前述の表面圧測定上の問題とともに、暗視野コンデンサーと石英ガラスを油浸法で接触させる場合可動範囲が著しく狭められること、ならびに水面がコンデンサーの焦点からはずれる可能性があることがわかった。これらの問題を解決するために、落射照明法を利用するのが最善と考えられる。 4.重合性両親媒性化合物の合成は既に不飽和炭化水素鎖やエーテル結合を有するものについて終了した。現在予備実験として水溶液二分子膜特性における重合進行の効果を調査している。
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