研究課題/領域番号 |
63850185
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
国武 豊喜 九州大学, 工学部, 教授 (40037734)
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研究分担者 |
小野 宣昭 サンエス計測(株), 技術部長
石川 雄一 九州大学, 工学部, 助教授 (30184500)
KIMIZUKA Nobuo Kyushu Univ. Facult. Eng., Research associate (90186304)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 単分子膜 / 累積膜 / ラングミュアトラフ / 光学顕微鏡 / 重合性脂質 / 二分子膜 |
研究概要 |
1.二分子膜形成能を有する両親媒性化合物から気-液界面に安定な単分子膜が形成され、巨視的な情報であるπ-A曲線と分光学的測定(反射吸収.螢光スペクトル)から得られた微視的情報が極めてよい対応を示した。カルバゾ-ル発色団を有する単分子膜においては相図と気液単分子膜の螢光スペクトル測定を併用することによって分子分布状態の制御が可能であることが示された。 2.落射蛍光顕微鏡観察用小型トラフを試作した。恒温水循環システムを導入したために温度制御可能となった。標準化合物をもちいてπ-A曲線測定を行ったところ、結晶性の低い単分子膜についてはバリアからのもれがおこることが判明した。この問題を解決するためにはバリアの重量を増し、トラフの縁との密着度を高める構造設計を施す必要があることがわかった。 3.螢光顕微鏡を用いた単分子膜の観察実験を行った。アミノ酸骨格を有する気-液単分子膜においては、凝縮膜形成にともない分子自身の不斉に基づくと考えられる不斉な結晶成長が認められた。この不斉単分子膜結晶はミクロンサイズであり、極めてロングレンジにわたる分子配向秩序の存在が明らかとなった。螢光スペクトル測定から液晶状態にあることが確認された液体膨張膜状態においては、この様な結晶は観測されなかった。また、展開直後に結晶化する単分子膜においては同じキラル骨格を有するにもかかわらず不規則な結晶構造しか得られず、超構造を形成するためには結晶形成過程の制御が必要なことが明らかとなった。 4.エ-テル結合を疎水部に含む新規な重合性両親媒性化合物を合成し、その二分子膜状態における重合挙動を調べた。その結果幅広い条件で重合が定量的に進行する優れた特性を開発できた。
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