研究課題
試験研究(B)
本研究は、機能の高度化とあいまって、その用途が拡大の一途をたどりつつある高分子系素材のよりファインな、またより高度な利用を計る上で欠くことのできないプラスチック押出機をはじめ多くの押し出し引張り加工プロセスの、より安定かつ精密な操作を実現するための計算機制御システムの開発を目指したものである。本研究は、大きくはつぎの3つのサブテ-マに従って進められ、成果を得ている。1)小型プラスチック押出機の実験にもとづく押し出しプロセスの動的挙動の解析と定量的動的モデルの確立。特に、フッソ樹脂押出工程において、押出機の操作条件とス-パ-シ-ア領域の因果関係の定量化を目指し、レオロジカルに特異な現象であると同時に量産性の立場から、この現象下での操業が望まれる、ス-パ-シ-アと呼ばれる現象ををさらに高押出量領域で安定に実現させるためには、操作条件、押出機設計を如何にすべきかを検討し、成果を得た。2)実操業中では、直接計測できない押出量等の変数を高精度に予測するためのコンピュ-タ内蔵の推定機構(ソフトセンサ-)の開発3)上述した1)2)の成果を踏まえ、押出量・ガス発泡率の高精度制御を可能にする計算機制御システムのための制御方式の検討と、多変数制御ソフトウエアの開発多変数モデル予測制御の適用を考え、制御手法の安定性の評価、拡張を行った。これらの3年間の研究成果は実機で検証され、その有効性を確認している。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)