• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

機能性反応を組み合わせた逆相ミセル型・高度分離・精製プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 63850189
研究機関大阪大学

研究代表者

久保井 亮一  大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40029567)

研究分担者 佐々 嘉正  花王, 和歌山第一研究所, 研究室長
キーワード逆相ミセル / 界面活性剤 / 液・液抽出 / 酵素・蛋白質 / 分離・精製 / 分配係数 / ミセル粒径分布 / 動的光散乱法
研究概要

分離場の母体として、アニオン性界面活性剤ーAOTを所定量溶解させたイソオクタンー塩化ナトリウム水溶液からなる二相分配系を用い、リゾチーム、キモトリプシン、リパーゼ、BSA等各種分子量・等電点の蛋白質の分配係数を測定し、分配特性のpHおよび塩濃度等各種操作条件依存性を定量化した。また動的光散乱法により逆相ミセル粒径分布を測定し、有機相内含水量の変化ならびに、上記各種蛋白質の可溶化に伴うミセルサイズの変化を検討した。ミセル粒径分布は対数正規分布で相関され、平均径と含水量との間には同心球殻モデルに基づく相関が成立しており、塩濃度の増加と共に平均径は減少し、ミセル総数は増加する。一方、蛋白質を可溶化してもミセル粒径分布は殆んど影響を受けず、また蛋白質の種類や濃度にも依存しない。したがって、蛋白質分子量が大きい程、立体的排除効果が増加し分配係数は減少する。また等電点、pIとpHとの差に基づく、蛋白質表面電荷ーミセル内電気二重層間静電的相互作用は、蛋白質径とミセル内水相半径の比に依存し、両者がほぼ等しい条件で最大となる。さらに、各種の側鎖を有するエーロゾル系界面活性剤を用いて、上と同様の測定を行なって、ミセル粒径分布と分離特性に及ぼす効果や、水相中への溶解に起因する活性剤の消失量等を比較検討した結果、蛋白質の可溶化・分離・精製の目的からは、AOTが最適であることが判明した。
最後に、多成分系混合液よりの酵素・蛋白質の分離・分画法として、上記立体的・静電的相互作用の差異による分配係数のpH、塩濃度依存性の違いを利用して、正抽出・逆抽出を組み合わせた3段階の分離スキームを提出した。一例として、高pH域で最も小さいリゾチームのみを抽出し、次いで低pH、低塩濃度でキモトリプシンのみをエセル相に可溶化させる方法によって、3成分系の分離も可能であることを示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 久保井亮一: 化学工学論文集. 15(3号). (1989)

URL: 

公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi