研究課題/領域番号 |
63850191
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 弘輔 大阪大学, 工学部, 教授 (20028947)
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研究分担者 |
赤松 隆 熊本工業大学, 工学部, 助教授 (50133567)
島 康文 大阪大学, 工学部, 助手 (50187423)
ト部 格 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029246)
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キーワード | 酵素・補酵素結合体 / 酵素リアクタ- / デヒドロゲナ-ゼ / 高分子化NAD / 高分子化5ーエチルフェナジン / 補酵素再生素子 / 2酵素共役反応 / 連続酵素反応 |
研究概要 |
NADの様な担体型の補酵素を必要とする酵素反応を酵素リアクタ-内で連続化するための触媒素子として、昨年度は、グルコ-ス脱水素酵素(GlcDH)とポリエチレングリコ-ル結合NAD(PEGーNAD)とを結合した酵素ー補酵素結合体、GlcDHーPEGーNADを作成した。本年度は、さらに高度に組織化された酵素ー補酵素結合体を作成するために、この様な結合体中で人工の触媒基としてはたらく、新しいフェナジン誘導体(EP)を合成した。EPは、従来の誘導体とは異なりすぐれた安定性を有するとともに、酵素やPEGーNADと結合しうる官能基を持っている。実際、EPとPEGーNADとの結合体、EPーPEGーNADは、一種の人工酵素的な特徴を持つ、NAD再生素子として機能することがわかった。 次に、GlcDHをPEGーNADおよびポリエチレングリコ-ルの結合したEP(EPーPEG)と結合した三重結合体、EPーGlcDHーNADを作成した。得られた結合体は、1分子中(4量体)に約3分子のEPと約5分子のNADとを結合しており、グルコ-ス酸化酵素の活性を持つ新しい触媒素子であることが明らかとなった。このことは、EPとNADとを共に結合することにより、脱水素酵素が酸化酵素に機能変換されることを示すものであり、またNADを分子内でリサイクルするシステムが設計可能であることも示している。 なお、本酸化酵素の反応性を定量的に評価するため、酵素法による溶存酸素濃度の測定法も新たに開発した。
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