研究課題/領域番号 |
63850191
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発酵工学
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研究機関 | 熊本工業大学 (1990) 大阪大学 (1988-1989) |
研究代表者 |
岡田 弘輔 熊本工業大学, 工学部, 教授 (20028947)
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研究分担者 |
赤松 隆 熊本工業大学, 工学部, 助教授 (50133567)
島 康文 大阪大学, 工学部, 助手 (50187423)
根来 誠司 大阪大学, 工学部, 助手 (90156159)
卜部 格 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029246)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 酵素ー補酵素結合体 / 酵素リアクタ- / デヒドロゲナ-ゼ / 高分子化NAD / 高分子5ーエチルフェナジン / 補酵素再生素子 / 2酵素共役反応 / 連続酵素反応 |
研究概要 |
NADのような担体型の補酵素を必要とする酵素反応を酵素リアクタ-中で連続化するための触媒素子として、酵素ー補酵素結合体を作製した。補酵素としてNADを用い、酵素としてのグルコ-ス脱水素酵素(GlcDH)や乳酸脱水素酵素などの脱水素酵素類、さらには、フェナジン誘導体(EP)のような人工の触媒基を組み合わせることにより、種々のタイプの結合体を得、それらを用いた酵素アクタ-の特性を明らかにしようとした。 まず、GlcDHとポリエチレングリコ-ル結合NAD(PEGーNAD)とを結合した酵素ー補酵素結合体、GlcDHーPEGーNADを作製した。乳酸脱水素酵素との共役反応におけるGlcDHーPEGーNADのNADH再生素子としての活性を調べ、本共役反応系を限外濾過膜(PM10)を用いたリアクタ-内に保持し、ピルビン酸からLー乳酸への変換反応が連続的に行えることが明らかとなった。 次に、グルタミン酸脱水素酵素(GltDH)とポリエチレングリコ-ル結合5ーエチルフェナジン(EPーPEG)とを結合した酵素ー補酵素結合体、GltDHーPEGーEPを作製した。この結合体は、NADH酸化酵素としての活性を示した。 さらに、GlcDHをPEGーNADおよびポリエチレングリコ-ルの結合したEP(EPーPEG)と結合した三重結合体(EPーGlcDHーNAD)を作製した。得られた結合体は、グルコ-ス酸化酵素の活性を持つ新しい触媒素子であることが明らかとなった。このことは、EPとNADをともに結合することにより、脱水素酵素が酸化酵素に機能変換されることを示すものであり、またNADを分子内でリサイクルするシステムが設計可能であることも示している。
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