研究課題/領域番号 |
63860003
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩田 伸夫 九州大学, 農学部, 助教授 (50038204)
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研究分担者 |
小川 雅広 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (10160772)
矢野 昌裕 農水省, 北陸農業試験場作物部, 研究官
吉村 淳 九州大学, 農学部, 助手 (00182816)
佐藤 光 九州大学, 農学部, 助教授 (70128031)
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キーワード | イネ / 胚乳貯蔵タンパク質 / 成分育種 / 突然変異 / SDS-PAGE / 抗体 / ELISA / 遺伝子資源 / MNU受精卵処理 |
研究概要 |
良タンパク質米の育成に関し、本年度実施項目について検討し以下の結果を得た。(1)既知の4遺伝子espー1,ー2,ー3およびー4間の相互交配を行い、多数のF_1種子を得た。またIsogenic Lines作成のため原品種「金南風」との交配を行った。(2)espー1およびespー2の連鎖分析を行い、espー1は染色体10上にd_6ーgーRcーSpl_5ーV_<11>ーrfsーespー2で配列し、一方、espー2はZ_2ーdtーdrp_7ーlaーV_4ーSpーespー2ーV_9の配列で染色体9に座乗すると推定された。(3)トリソミック分析の結果、espー3はG型トリソミックとのF_2でトリソミック分離を示し、espー2同様染色体9に座乗すると推定される。(4)1986処理M_3系統について貯蔵タンパク質に関する変異体の探索を行ったところ、新たに57ーH変異体12系統、13bーL変異体2系統、10/13aーL変異体1系統、10/16ーH変異体2系統を得た。加えて、これまで未知のPBーIIグルテリンに関する変異体3系統、26および16KDaグロブリンが顕著に減少する変異体7系統を得た。さらに九大保存系統中に多数の13bーL系統およびグルテリンαー3サブユニット欠損系統が存在することを確認した。(5)1987処理M_1植物を育成し、多数のM_2系統を得た。さらに新たにニシホマレ、台中65号およびIR36の3品種についてMNU受精卵処理を行い、多くのM_1種子を得た。(6)良タンパク質米育成の交配母本としての適性評価のため、系1417(espー1)、1428(espー2)、1429(espー3)をアキチカラ、キヌヒカリ、北陸129号と交配を行うとともに、上記3系統について出穂期以下12項目について栽培特性を調査した。(7)酵素抗体法による変異体選抜のため2種のプロティンボディ、PBーIおよびPBーIIの単離・精製を行い、ウサギ抗体を得た。また、PBー1、PBーIIの各構成ポリペプチドの単離・精製を行い、ウサギ抗体を得た。この結果、これらの抗体を用い酵素抗体法(ELISA)による各構成ポリペプチドに関する変異体の選抜が可能となった。
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