研究概要 |
1.試作有機複合体(改良おからもみがら推肥製品)について畑苗(イネ)の生育とカルシウム,ケイ酸などの養分吸収について検討したところ,重量で貝化石10%,ケイソウ土10%,ケイソウ土5%貝化石5%(混合)をそれぞれ添加処理した製品は無添加のものに比べて著しい差は見られなかった。しかし貝化石入りのものが若干まさる傾向がみられた。更にケイ酸等の吸収量の相違について研究の全地がある。 2.同じように試作有機複合体について,砂状ケイカル,貝化石単体,グアノリン鉱粉末,硫酸処理ケイフンほかとの育苗土壌への相対的な施用効果を比べたが,供試複合体は製品の熟度に配慮が必要であることが分かった。 3貝化石単体を砂壌土の畑苗(イネ)育苗に使用するには0.5%添加が好適とみられた。 4長野県下における観察では供試有機複合体を施用した場合,トマト,長芋,野澤菜,白菜,大根などにおいて適量使用で効果がみられ,障害軽減に寄与する例もあった。ただし多量施用の場合には留意が必要。 5またリンゴ,ブドウ(巨峰)においては甘さなどの品質向上に供試品の施用が寄与する例がみられた。 6洪積酸性畑(能登半島)のタバコ作においては適量の使用が上質葉の収量増に貢献した。 もみがら堆肥のみを施用したコシヒカリ栽培田においては慣行の化学肥料田のものより米の食味がやや優子傾向にあった。 8良質な有機複合体の安定な製造法と現地の施用に際した技術的留意点などについて,さらに研究を継続する必要があると考察した。
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