研究課題/領域番号 |
63860021
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
有馬 孝禮 東京大学, 農学部, 助教授 (10144057)
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研究分担者 |
田代 貞 川島建設, 部長
合瀬 豊 飯田工業, 部長
信田 聰 東京大学, 農学部, 助手 (00201541)
中村 昇 東京大学, 農学部, 助手 (30180384)
丸山 則義 静岡大学, 農学部, 助手 (10022253)
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キーワード | 打撃音分析 / 丸太 / グレーディング / 固有振動数 / ラミナ / 木材乾燥 |
研究概要 |
木材の適正利用をはかるにはエンドユーザーが要求する性能を担保するための技術を可能な限り、木材生産物である山元に近づけることが必要で、そのために丸太から最終製品までを追跡した研究が重要であることが明らかになってきた。本研究は打撃音の周波数分析を基礎にして丸太材のグレーディングシステムの開発と用途区分のシステム化をはかることと、製材の乾燥制御への応用をはかることを目的としたもので、初年度の研究実績の概要は以下のとうりである。 1.周波数分析には木口の打撃による縦振動をマイクロフォンを介してFFTによって固有振動数を求めるのが簡便で、重量の計測はロードセルを用いるのが丸太のような不安定なものには比較的実現的である。これを組み合せることによって丸太のヤング係数が算出されることが判明し、土場、工場などで適用が可能であることが認められた。 2.集成材工場において、天竜産のスギの強度等級区分されたラミナを得るためスギ丸太の打撃音による周波数分析による区分法を試みた。それをもとに選別した丸太から得られたラミナの強度分布を求めた。ラミナのヤング係数は木取りした部位に依存するが、丸太のヤング係数に支配され、丸太のヤング係数をほぼ平均とした分布を示す。また、丸太のヤング係数で、2区分した程度の場合でもラミナ等級の運用に有効に使いうる。 3.柱材の乾燥制御を非破壊的に行うために、含水率計と異なるシステムとして木口面の打撃音分析の応用技術を試みた。乾燥への応用に関しては周波数が重量変化に依存すること、ヤング係数の含水率による増加の推定値を利用し、水分の減少量化を抑えることが可能であり、桟積みなどの影響についても基礎的データが蓄積された。
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