研究課題/領域番号 |
63860029
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
矢野 友久 鳥取大学, 農学部, 教授 (80032085)
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研究分担者 |
山村 善洋 宮崎大学, 農学部, 助手 (90117028)
中野 芳輔 九州大学, 農学部, 助手 (60038320)
黒田 正治 九州大学, 農学部, 教授 (50039319)
山本 太平 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00032102)
井上 光弘 鳥取大学, 農学部, 助教授 (90032309)
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キーワード | 蒸発散量 / 葉温 / 蒸散抵抗 / 葉の水ポテンシャル / SPACモデル / 水分ストレス |
研究概要 |
農業用水の効率的利用、特に畑地灌漑における適切な水管理技術の確立が急務で、作物ごとに、いつ、どの程度の量の灌漑が必要か、実用的な圃場レベルの技術の確立が要求されている。従来、土壌水分状態から灌漑時期を判定してきた。しかしながら、作物の生長あるいは収量を直接的に支配するものは、土壌の水分状態よりも植物体の水分状態である。 本研究は作物体の水分状態に関連する要素を総合的に検討することによって、灌漑時期の判定のための新しい指標を確立することを目的としている。研究のアプローチとして、(1)水分ストレスの有無による蒸発散量と、土壌水分量や気象要素などの関係から指標を見い出す方法、(2)土壌水分量の代りに葉温をパラメータとして指標を見い出す方法、(3)土壌水分、作物体内水分などの種々の要素を測定し、SPACモデルとの併用から指標を見い出す方法を試みた。 今年度のそれぞれの研究アプローチの成果は次のように要約される。(1)、比較的雨が多く水分ストレスが少ない圃場実験の結果、ウェイイングライシメータによる大豆の日蒸発散量は、8月下旬で6.5mm程度で、ペンマン型組合せ法による蒸発散位の推定値よりも大きな値であった。単層モデル、二層モデル、多層モデルを用いて、土壌水分動態のデータから蒸発散量を推定し、多層モデルの有用性を確認した。 (2)、赤外放射温度計によって大豆畑の葉温測定を志す。日射量変化との相関が高いことを確認した。また、葉・気温差の長期観測によって作物の水分ストレスの徴候を把握し、葉・気温差が有効な灌漑時期の判定指標であることを明らかにした。 (3)、高温乾燥条件下のグロスキャビネット内で、キュウリの植物反応と土壌環境を測定した。SPACモデルによる検証によって、昼夜の葉の水ポテンシャル、蒸散抵抗などの日周期のある特徴的な推移を得た。
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