研究分担者 |
山村 善洋 宮崎大学, 農学部, 助手 (90117028)
中野 芳輔 九州大学, 農学部, 助教授 (60038320)
黒田 正治 九州大学, 農学部, 教授 (50039319)
山本 太平 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (00032102)
井上 光弘 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (90032309)
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研究概要 |
本研究では土壌の水分状態に関与する要素としての土壌の水ポテンシャルを,作物体内の水分状態に関与する要素として葉の水ポテンシャル,気孔抵抗,蒸散速度,葉温を測定し,これらが潅漑時期判定のための新しい指標となる可能性を実験的に検討した。 葉温に関する指標:葉気温差法,葉温度法,飽差・葉気温差法について検討した。赤外線放射温度計による葉温測定の結果から,葉気温差は最も簡単な指標であるが,晴天日には作物の水ストレスを評価できることを明らかにした。 蒸気散量に関する指標:葉温から蒸発散量を推定する方法について,種々の方法を検討した結果,葉温法とペンマン法によるポテンシャル蒸発散量の推定値に対して,0.98の高い相関が認められた。 土壌水分・作物体内水分に関する指標:土壌水分と作物体内の水分状態には密接な関係があり,土壌水分の減少に伴う作物体内の水分状態の変化は測定可能であり,潅漑時期の判定に関する指標になりうることが認められた。 土壌水分・作物体内水分に関する指標:数値モデルを利用して,点滴潅漑下における透水性土壌の浸透ポテンシャルを計算し,全ポテンシャルの観点から適正な潅漑時期の判定に関する基礎的検討を試みた。その結果,作物への水ストレスは,潅漑水に塩分を含む場合には浸透ポテンシャルが大きく影響した。また,マサ土より砂丘砂の方が水ストレスが大きくなることが推定された。また,頻繁潅漑区と間断潅漑区において,微気象要素として,日射量,葉温,蒸散速度,蒸散抵抗を測定し,それぞれの比較を行った。その結果,頻繁潅漑区と間断潅漑区の条件によって,土壌水分状態が異なり,微気象要素の経日変化に差が生じること,ならびに,それぞれの特色のある相互関係を明らかした。
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