研究課題/領域番号 |
63860036
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 康之 東北大学, 農学部, 教授 (90005637)
|
研究分担者 |
加藤 和雄 東北大学, 農学部, 助手 (60091831)
梅津 元昭 東北大学, 農学部, 助手 (30005649)
庄司 芳男 東北大学, 農学部, 助手 (60005642)
太田 実 東北大学, 附属農業, 助教授 (00005670)
|
キーワード | 牛初乳 / インスリン様成長因子 |
研究概要 |
脱脂初乳にレンネットを添加して得たレンネットホエ-中には、脱脂初乳と同程度のIGF-I活性が含有されていたことから、IGF-Iはレンネットによる分解を受けないことが明らかになった。レンネットホエ-をゲルクロマトグラフィ-に供試し、中性及び酸性緩衝液で溶出を行って、レンネットホエ-中のIGF-I活性の存在について検討したところ、レンネットホエ-中IGF-I活性は結合タンパクと結合しており、酸性条件下でその結合は解離した。レンネットホエ-に4倍容の酸・エタノ-ル混液を加え、次いで上澄に3倍容の冷アセトンを添加し、アセトン沈澱物にIGF-I活性を濃縮した。アセトン沈澱物をゲルクロマイトグラフィ-に供し、1M酢酸で溶出した結果から、IGF-Iは結合タンパクから解離して溶出すること、IGF-I活性溶出位置から推定してゲルクロマイトグラフィ-により分取したIGF-I活性は遊離型であり結合タンパク質はIGF-I活性画分から除去されたことが明かとなった。さらにこのIGF-I活性画分を逆相HPLCに供したところ、クロマトグラフィ-上の隣り合う二つのピ-クに相当する二つのフラクションにIGF-I活性を検出した。早く溶出するフラクションは、遅れて溶出するフラクションの二倍のIGF-I活性をもち、さらに、それぞれのフラクションについて行った二回目のHPLCで検出されたIGF-I活性の溶出位置から、早く溶出するフラクションに存在する完成は、標準に用いたrhIGF-Iと同一のものと推定され、このフラクションのIGF-I活性精製倍率は脱脂初乳の約3500倍であった。一方、生物活性検定系として筋芽細胞L-6を用いるバイオアッセイ系を確立し、標準rhIGF-Iについてのアッセイは用量依存的なL-6細胞の増殖が認められた。
|