研究課題/領域番号 |
63860037
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大久保 忠旦 東京大学, 農学部, 教授 (90115535)
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研究分担者 |
善林 明治 京都大学, 農学部, 助教授
松井 寛二 東京大学, 農学部, 助手 (50126166)
稲永 忍 東京大学, 農学部, 助教授 (40124664)
近藤 誠司 北海道大学, 農学部, 助教授 (20112576)
小竹森 訓央 北海道大学, 農学部, 助教授 (10001447)
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キーワード | 畜産におけるエナジーフローモデル / 泌乳のモデル |
研究概要 |
乳牛と肉牛における生産システムを数学モデルで表現し、シミュレーション実験を行なうためのソフトウェアを開発する。生産システムとして、(イ)粗飼料多給による乳牛の育成、搾乳、(ロ)肉牛の集約的育成・肥育、(ハ)肉牛の放牧を主体とする繁殖・育成・肥育、という三つのタイプの生産方式を大学附属牧場に求めた。そこでの生産過程を、太陽エネルギーの流通系および補助エネルギー、流通系として捉え、エネルギー流の数式群(モデル)で表現するとともに、実測を加えてシミュレーション実験を行ない、最終的には生産予測(牛乳生産と枝肉生産)に役立てることをねらいとしている。 本年度は、北海道大学附属牧場でヘレフォード種の放牧育成、肥育、東京大学附属牧場のホルスタイン種の牛乳生産、京都大学附属牧場の和牛(雑種)の繁殖・育成・肥育のそれぞれについて、六年間の蓄積された記録から飼料摂取と生産におけるエネルギー収支を、代謝エネルギーと補助エネルギーの両者について算出し、数学モデルに組み入れるためのパラメータを求めた。また不足部分については、実測も行なった。 牛乳生産を例にとると、乳牛群の70例の年間にわたる泌乳曲線と総泌乳量について、飼料摂取量や気温、牛群母系系統との関係を調べたところ、(イ)母系系統間で泌乳量、泌乳曲線の形に差があり、日泌乳量最高期よりはその時期よりあとの泌乳中期、後期の能力が総泌乳量を高くしており、系統によってその能力が異なる、(ロ)中期、後期の能力は気温によっても影響を受けるが、その影響は、少し前(約2カ月)に受けた高温の後遺作用としてあらわれること、(ハ)数学モデルとして既存のモデルには(ロ)の事実が入っていないため改善する必要のあること、などが示唆された。
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